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2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

2007-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アドルノって誰なの?

Q.アドルノって誰なんですか? A.テオドール・ルートヴィヒ・ヴィーゼングルント・アドルノさんです。1903年にユダヤ系の裕福な家庭に生まれ、すくすく育ち、1969年に亡くなった20世紀の思想家/社会学者/音楽家/批評家/教師です。思想家としてはヘーゲ…

今日のアドルノ

思想の体系(システム)や政治の体系(システム)は、自分たちと同じでないものは何ひとつのぞまない。システムが強化され、存在するものを同じ名のもとに括るようになればなるほど、同時にそうしたシステムは存在するものをますます抑圧し、存在するものか…

昨日のアドルノの続き

どのような音楽分析も直面する困難は、つぎの点にある。解体を進め、最小の細部を引き合いに出せばだすほど、ますますただたんなる音にすぎないものへと近づき、すべての音楽はただたんなる音の寄せ集めにすぎなくなる。 楽譜上の音符の羅列もまた、単数とし…

フリッツ・ラング『メトロポリス』/アート・ゾイド

メトロポリス 特別編 新訳版posted with amazlet on 07.09.29有限会社フォワード (2007/02/20)売り上げランキング: 6449Amazon.co.jp で詳細を見る ふらふらっとひやかしに入った楽器/CD屋で「ドイツ表現主義時代の名作」とか言われている映画が一律500円…

良い映像

山形新幹線とSLが夢の競演。

またPerfumeでトラバが飛んできやがった

哲学の負うべき課題は、現実のなかに隠されてすでに存在している意図を探りだすことではない。そうではなく意図なき現実を解釈することなのだ 音楽と文学は、どちらも書かれたものである。それについては今更言うべきことでもないだろう。現に我々は今、文学…

美の理論/ミニマ・モラリア

美の理論 新装完全版posted with amazlet on 07.09.27テオドール W.アドルノ 大久保 健治 河出書房新社 (2007/09)売り上げランキング: 192426Amazon.co.jp で詳細を見る 先日、河出書房新社より永らく絶版状態にあった『美の理論』が復刊されました。が、値…

ピエール・ブーレーズを区分として

現代に作曲されている音楽を聴こうとしているけれど、若い作曲家が作る音楽を聴いていても結構ピンとこないことがある。「現代の音楽」のはずなのに、上手くそれが「現代音楽」のように感じない。 「現代音楽」という言葉を聴くたびに、私の頭のなかで想像さ…

トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』

競売ナンバー49の叫びposted with amazlet on 07.09.25トマス ピンチョン Thomas Pynchon 志村 正雄 筑摩書房 (1992/11)売り上げランキング: 58107Amazon.co.jp で詳細を見る なんとなく再読。なんか長いピンチョンに慣れてから再読すると「え?もう終わり!…

今日のアドルノ

思考は主人が勝手に静止することのできない奴隷である。 ヘーゲルの「主人と僕(しもべ)」の喩えを思い出しても良いし、個人が先か社会が先かという古典的な論争を想起しても良い。あるいはシステムのことを考えても良いだろう。とにかく、今日は疲れたので…

AGURA BOYZ JUSCO「妄想のヨーロッパ大陸」

残暑がきつくて、夏でもないのになぁって/思うけれど基本的に淡々と秋が過ぎていく/通勤の時に通る土手はまだ緑色/そこに咲いていた彼岸花は赤色というかオレンジ/排気ガスのせいでくすんだ色をしてる/なんともいえない気分で遠くを見た/遠くで学生が…

カッチカチやぞ!

http://jp.youtube.com/watch?v=BGv5cBEVlGA*1 ずっとこのブログの一行紹介には最近好きな一言を書くようにしているんだけれど、今載せている「カッチカチやぞ!」に関してはあまり分かってくれる人がいないみたいなので、説明の代わりにその元ネタとなった…

アルバート・アイラー「ゴースツ」

詳細は不明だけれど、アルバート・アイラーが演奏する「ゴースツ」が使用されている動画(しかも色んなバージョンを繋ぎ合わせて作ってある)。中上健次は「『破壊せよ』とアイラーは言った」と言ったけれど、アイラー自身はそんなことを言っていなくて、彼…

AGURA BOYZ JUSCO「夏が終わるかんじで」

全世界にディアスポラするAGURA BOYZ JUSCOのファンの方々、お久しぶりです。しばらく現代音楽とかクラシックとか興味がない方には本当に退屈でクソみたいな文章を、アホみたいに長々と書き続けていましたが、あなた方が待ち望んでいたAGURA BOYZ JUSCOの情…

青山真治『サッド・ヴァケイション』

サッド・ヴァケイションposted with amazlet on 07.09.24青山真治 新潮社 (2006/07/28)売り上げランキング: 16990Amazon.co.jp で詳細を見る 青山真治監督による「北九州サーガ」の完結篇。冒頭から異常に暗い環境のなかでカメラが回されており「いきなりす…

《春の祭典》の再創造

またヤバい映像を見つけてしまった……。ピエール・ブーレーズ/パリ管弦楽団による《春の祭典》。イーゴリ・ストラヴィンスキーのこの作品といえば、もはや20世紀音楽の代名詞のひとつにもなっており「何をいまさら……」と思われるかもしれないが、この再演は…

内田光子のベートーヴェン・ソナタ第2弾

ベートーヴェン:ピアノソナタ第28番&第29番posted with amazlet on 07.09.22内田光子 ベートーヴェン ユニバーサルクラシック (2007/07/25)売り上げランキング: 198Amazon.co.jp で詳細を見る 近年、内田光子はベートーヴェンに集中的に取り組んでいる。昨年…

チック・コリア@テアトロ・ジーリオ・ショウワ

Children's Songsアーティスト: Chick Corea出版社/メーカー: Ecm Records発売日: 2000/08/15メディア: CD クリック: 1回この商品を含むブログ (5件) を見る チック・コリアのアコースティック・ピアノ・ソロを聴いた。チケットを買ってからずっと楽しみにし…

Yannis Kyriakides(ヤニス・キリアキデス)

Yannis Kyriakides(MySpace) 先日もご紹介したガウデアムス現代音楽センターのサイト*1に掲載されていた名前を適当に調べてみる。目に付いたたのはキプロス出身の作曲家、ヤニス・キリアキデスのMySpace。1969年生まれとまだかなり若い方だが「現代音楽のフ…

今日のアドルノ

数学的方法は、思考を事物(ザッヘ)にし、また自らそう名付けるとおり、思考を道具にしてしまう。しかしながら、思考が世界に同一化するこのようなミメーシスとともに、今や事実的なものだけが唯一なものになり、神の否定でさえも、形而上学の判決に委ねら…

今日のアドルノ*1

呪術のうちには特定のものとの身代わり可能性がある。 呪術の時代においては「敵の槍や髪や名前の上に何かが起これば、同時にそれは、その敵本人の上にもふりかかってくるはずである」と考えられていた。日本でもそういう類の呪術は存在していた。恨みを抱く…

後期ロマン派の楽器たち

18世紀から20世紀前半の西洋音楽界の大きな流れには「拡大」という傾向が見られます。例えば、鍵盤楽器の音量の拡大。ピアノが開発されるまで主流だった鍵盤楽器、チェンバロ(ハープシコード、クラヴサン)の弦を弾く部分には鳥の羽の軸となっている部分が…

ベリオがネットで観られる時代に感動

イタリアの作曲家、ルチアーノ・ベリオの大問題作《シンフォニア》より第3楽章の映像(指揮はサイモン・ラトル)。この部分は、マーラーの交響曲第2番《復活》を主なパロディの対象としながら、ストラヴィンスキー、シェーンベルク、ベートーヴェン、ドビ…

現代音楽の不安はネットによって解消されるか

Gaudeamus Muziekweek 「ガウデアムス国際音楽週間」*1を主催しているガウデアムス現代音楽センターの公式サイト。「俺、全然現代の音楽しらねーじゃん!聴いてるの死んだ作曲家ばっかりじゃねーか!」と思って、作曲科の友達に聞いたら教えてくれた。世界中…

阿部和重『グランド・フィナーレ』

グランド・フィナーレ (講談社文庫)作者: 阿部和重出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/07/14メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 81回この商品を含むブログ (84件) を見る ぼんやり上手さん(id:ayakomiyamoto)の日記でずいぶん前に阿部和重が面白く紹介さ…

キース・ジャレット『残氓(ざんぼう)』

残氓 (紙ジャケット仕様)アーティスト: キース・ジャレット・クァルテット出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック発売日: 2002/09/19メディア: CD クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る 私の実家はほとんど誰も音楽を聴かず、ま…

ジェントル・ジャイアント動画集

70年代イギリスのロック・バンド、ジェントル・ジャイアントのライヴ動画。以前にもまとめて紹介しましたが、新しい動画がアップされていたことをお知らせします(以前のものは多くがリンク切れ)。音質も画質も以前にアップされていたものとは段違いで良い…

Kanye West『Graduation』

Graduationアーティスト: Kanye West出版社/メーカー: Roc-a-Fella発売日: 2007/09/11メディア: CD クリック: 34回この商品を含むブログ (55件) を見る CANのカヴァーをやっててびっくりした。熊が可愛くなくなった。

坪口TRIO+2@新宿ピットイン

ANDROGRAFFITIアーティスト: 坪口昌恭出版社/メーカー: ewe records発売日: 2006/01/20メディア: CD クリック: 3回この商品を含むブログ (10件) を見る DCPRGで刺すようなキーボードを弾いていた坪口昌恭のトリオを聴きに行った(他のメンバーは菊地雅晃、藤…

はてな祖母出し

数があんまりないのは写真を撮られるのを嫌がるから。「こだ顔、撮んなでぇ(こんな顔、撮らないでよ)」。こう見えても乙女です――先日、77歳になったので役所から1万円をもらいました。