アルバート・アイラー「ゴースツ」
詳細は不明だけれど、アルバート・アイラーが演奏する「ゴースツ」が使用されている動画(しかも色んなバージョンを繋ぎ合わせて作ってある)。中上健次は「『破壊せよ』とアイラーは言った」と言ったけれど、アイラー自身はそんなことを言っていなくて、彼の音楽にあるのってそんな破壊衝動ではなくて、もっと穏やかな創造することの幸福だと思う。楽しげなテーマが吹奏されたあとにやってくる混沌とした音の羅列は意味不明だけれど、なんか聴いててハッピーになってしまう不思議な効用がある。結局、いまだにアイラーの音楽についてはよくわからないままなのだが、そういう効用を求めて聴いている。それは「フリージャズによって吐き出される感情が……」云々に共感するわけではなく、理解不能なものへと求心されていく不思議な現象だ。「一体、これはなんなのだろうな」と首をひねりながら、楽しくなっていく。こういうのはオーネット・コールマンやジョン・コルトレーンにはこういう楽しさはない気がする。彼らの音楽は、不器用なほどマジメだ。
Spiritual Unityposted with amazlet on 07.09.25