sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

よしながふみ『きのう何食べた?』(二)

 この漫画を読んでいると、料理欲と美食欲が同時に高まっていくのですが、それらは互いにちょっとずつ方向性が異なった食欲なのだろう……ということについても考えさせられます。料理をすれば、美味しいものを作ることは可能である。しかし、自分では絶対に作ることができない、お店でしか味わえない食べ物も確実に存在している。自分で作る美味しいものと、お店でしか食べられない美味しいもの。これらが生み出す感動(というと大げさですが)は、まるで違ったものでしょう。さらに、自分で料理を作っていると「お店でしか食べられない美味しさ」の有り難味もだんだん分かってくるような気がします(お金を出して食べるべきもの、と食べるべきではないものの峻別もできてくる)。