sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

面影ラッキーホール/typical affair

面影ラッキーホールというバンドについてはもはや「裏クレイジー・ケン・バンド」だとか「知る人ぞ知る」といった形容をしなくとも「ああ、あのヒドい歌を歌う人たちね」と伝わるほどの認知度を誇る存在となっているかと思われます。知らない人はいますぐYoutubeの以下の動画をご覧ください。大音量で! ご覧ください!



コレに心を掴まれた人は、新譜「typical affair」発売時のインタビュー記事を読んで深すぎる発言に心を震わせたら良いと思います。


「ドラマや映画のようなきっかけなんて無いんですよ、人の人生に。」、「日本人の平均って免許証の更新会場にあるなって思うんです。」、「自信がないから、俺の話を聞けなんてとても思えない。そう思える奴ら全員頭おかしいよ。恥知らず。」と名言が爆発しすぎている。私もココまで、醒めきっている人たちだとは思っていませんでした。トラックリストの異形感溢れるタイトルも圧巻。

1. ラブホチェックアウト後の朝マック / 2. セカンドのラブ / 3. ゆびきり / 4. ゴムまり / 5. 背中もよう / 6. 今夜、悪魔は天使に負けない / 7. 涙のかわくまで / 8. SO-SO-I-DE(LIVE at EAST)

ここでは、彼女がいる男ばかり好きになる女性だの、夫が塀のなかで《お勤め》をして帰ってきた女性だの、息子を新しいオトコに虐待死させられる女性について歌われます。アルバムタイトルの「typical affair」(直訳すれば、典型的な事柄)とはまるでかけ離れているようですが、こうしたことはあくまで面影ラッキーホールのリスナー層にとっては典型的な事柄ではないのであって、どこか別な階層ではありふれていて、典型的な事柄なのでしょう。ちょっと遠くにあるように思われるリアルを描いているこの感じは『闇金ウシジマくん』とも重なるかもしれません。