ルービンシュタインのブラームス
Rubinstein Plays Brahmsposted with amazlet at 10.12.10
またもや先日のイタリア旅行の話になるけれど、この旅行が私にとって初めての飛行機体験となった。12時間以上もシートに拘束される経験なんかそれまでなかったので、なんか時間つぶしになるものをもっていかねば、と思って機内に持ち込んだのはピンチョンの小説と、それから、ルービンシュタインのブラームス集9枚組ボックスのデータが入ったiPod。飛行機のなかでは結局半分ぐらいウトウトしていたけれど、旅行中の飛行機のなかで久しぶりにガッツリ音楽を聴いたり、本を読んだり、という時間がとれた気がした。
ところで、ルービンシュタインのブラームス集9枚組ボックスだけれども、これが内容が最高で、やっぱりブラームスって良いよなあ、と思ったのだった。シェリングやフルニエが参加してたり、ヨーゼフ・クリップスとの協奏曲第2番が収録されていたり、と超豪華なメンツが一挙に聴けるお徳ボックス。とくにグレゴール・ピアティゴルスキーとのチェロ・ソナタ第2番の共演が良い。これはブラームスが交響曲をすでに第4番まで書き終えてしまった後の、後期の作品。デュオによる室内楽作品にもかかわらず、異様な交響曲的広がりを持った傑作だ。自分がブラームスの音楽に求めているもののひとつとは、こういう良い感じの温度でもあるのだな、と実感させられる。