俺がイタリアで飲んだ酒
いろんなところで報告はしているのですが、先日、とある女性と入籍しましてハネムーンに行っていたわけでございます。旅行先はイタリア。今年は私のなかでルネサンス思想がきていたのと、あとワインがたくさん飲みたかったから、という理由で初の海外旅行となりました。イタリアはワインとパンが異様に安くて、日本で飲んだら結構ふんだくられそうなワインや、都心のしゃちほこばったブーランジェリエ(笑)で500円ぐらいで売っていそうなパンが1ユーロぐらいだったりして、楽しかったです。あとオレンジ・ジュースも安くて美味しくて、コーヒーもお酒もあんまり飲めないお嫁さんは、毎日フレッシュなオレンジ・ジュースを飲んでいました。飲んだお酒はいくつか記録に残していましたので、ここで紹介させていただきます。
これはイタリアのビール「Moretti」(高速道路のドライヴインみたいなお店で2.5ユーロだったはず)。ツアー旅行だったのですがそのバス移動中に見渡す限りのぶどう畑を眺めながら飲みました。甘くてフルーティな風味で美味しかったです。でも毎日飲んでいたら飲みあきそうな味。たぶんイタリア人にとってもそうらしく、街を歩いているとハイネケンのジョッキを飲んでる人が結構いっぱいいました。
これも高速道路のドライヴインみたいなお店で2.5ユーロだったドイツのビール「Warfteiner」。これも甘くてフルーティな風味のビール。ヨーロッパのビールってそういうのが多いんですかね。
ヴェネツィアのオステリア(大衆食堂みたいなレストラン)で頼んだワイン。お店で飲んだら18ユーロでしたが、あとで6.5ユーロで売っているのを見つけてちょっと凹んだ。でもとても美味しかったです。ごくごく飲んでしまえるような、そういう勢いがある。たしかトスカーナ州のワイン。この地方のワインが安くて美味しい、という話は村上春樹のエッセイで読んで、ずーっと飲んでみたかったのです。お店には自分たち以外に日本人はいなくて、しかも地元の人がどんどん入ってきて不安だったけれど「間違えて、地元の人たちがいっぱいいるところに迷い込んじゃったよ」という場違いな感じも楽しかった。
村上春樹によるトスカーナのワインについては『遠い太鼓』に収録されています。
フィレンツェのスーパーで3.5ユーロで売っているのを見つけて思わず飲んでしまった「CHIMAY」(ベルギー・ビール)。このスーパーではアサヒの「スーパードライ」のスタイナー瓶が5ユーロぐらいだった。値段が逆転している。
フィレンツェのワインバーで。フィレンツェでは昼と夜に2件、ワインバーにいきました。こちらは夜にいったほう。昼に行ったほうは、入ってみたら結構フォーマルなお店で恐縮しました。高級ワインがグラスで頼めたりして、とても楽しかった。観光しながらグラスで5杯ぐらい飲んでしまいました。そして「美味しくないワイン」がひとつもなかった。
ホテルに帰ってからも、買ったワインを飲む。ボトルで買ったワインではこれが一番美味しかったです。14ユーロぐらい。飲みやすいんだけれど、しっかりとした渋みがある。酒飲んでるゾ、今、という実感がしてくる、そういうワインでした。
これは最後のローマのホテルで飲んでいたワイン。自分の一生でこれほどまでにワインを飲みまくっていた一週間はなかったであろう、と思いました。たぶん、旅行中にボトルで5本分は飲んでいる(つまり、ここで紹介している写真は一部分、というわけ)。本当に手ごろで、美味しいワインがたくさんあるものだから、この国においては自然に血液がワイン化してしまいそうな気配さえあります。あと、旅行者じゃなくとも昼間から飲んでいる人がたくさんいる。ヴェネツィアの町を歩いていたら、道端に置かれた椅子の前に座って手をプルプルさせながらワインを飲んでいるおじいさんがいたのが印象的でした。「ワインが好き」などというと、スノッブな印象をもたれてしまいますけれども、この国ではとてもカジュアルな飲み物なのだなあ、と。
しかし、根がビール党員であるため、なんだか無性にビールが恋しくなって帰りにオランダの空港でビールを飲んでしまったのだった。「Murphy's Stout」はじめて飲んだけれど、とても美味しかった。