ANBB/Mimikry
本日届いた新譜は、アルヴァ・ノト&ブリクサ・バーゲルトによるユニットANBBのファースト。アナログで手に入れていらっしゃったid:mthdrsfgckrさんがすでにレビューを書いておりますが、素晴らしいのでこちらでもご紹介いたします。背景で鳴っている音がメタル・パーカッションでも、グリッチ・ノイズやホワイト・ノイズでも、ブリクサ師匠の芸風はまったく揺らいでおらず、21世紀型ジャーマン・ニューウェーヴというか、異形のカリスマ・アーティスト感が完成の域に達している……と感嘆せざるを得ない、そういうアルバムでございました。
冒頭「明石家さんまの笑いのピークを捉えたような奇声」ではじまるあまりの不穏さに思わずニコニコしてしまうのですが、ダークな雰囲気でドン底を這いつくばるばかりでなく、ときに重厚にシンフォニックに響くのですね。このアルバム、この点がすごく魅力的で……ああ、すごく大きな音で聴きたい、と思いました。音の大半はハードな電子音なんですけれど、マーラーの歌曲(管弦楽伴奏の)を想起させるような、壮大で豊かな音楽です。日本盤は1000枚限定で4500円、とレコード会社が「このアルバムはダウンロードで買ってください」とオススメしているような謎仕様となっているのが気になること以外は文句なしの名盤です!