sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

オーケストラの練習が始まった

 今日から半年ぶりにオーケストラの練習が始まった。今私が取り組んでいるのはドヴォルザーク交響曲第7番で、これをあと4ヶ月近くかけてほぼ毎週練習し、本番の日までに仕上げていくことになる*1。高校生で楽器をはじめて、大学の2年ぐらいまでほぼ毎日練習していた、っていう遺産だけで楽器を吹いているので初練習は毎回自分がヘタになってるのを確認するだけで終わって凹む。

 交響曲第9番《新世界より》や、第8番と比べると第7番の知名度は格段に落ちる。でも、個人的には「聴いたことがあるドヴォルザーク交響曲」のなかでこの作品が一番好きだ。主題の美しさも魅力的なのだが、それだけに頼らっておらず、端正に作品を構築しているところに好感がもてる。ブラームスとの音楽観の共有を最も見出すことができるような仕事ぶりである(ブラームス交響曲第2番、第3番を彷彿させるところが多々ある)。

 2楽章のこの牧歌的な雰囲気も聴いていてとても心地が良い。ここでもやはりただ情感に流されるだけではなく、付点のリズムを微妙に変えてきたりとなかなか凝っている。とくに中盤にあるクラリネット-ホルン、それに続くフルート-ファゴットのかけあいの部分は緊張感を生み出すフックになっているように思う(とくに難しい箇所ではないんだけれど、こういう凹凸を組み合わせるようなアンサンブルは演奏者としても楽しい)。

 一番楽しいのは第3楽章のスケルッツォだ。シンコペーションや強拍の表裏の入れ替えが激しく、強烈にダンサブルな構造で書かれている(国民楽ファンク!)。これは上手く演奏できると音楽の中に組み込まれてる気分が高まってとても楽しい。

 ここまで結構エレガント路線できてるのに、第4楽章になると一気にダサくなるのが少し残念。完全に趣味の問題だけれど、トランペットが合いの手を入れるみたいに入ってくるところとか結構苦笑ものである(チャイコフスキー交響曲第4番の第4楽章とかもそうだけれど、こういう合いの手形式は苦手だ)。しかし、メロディはやはり素晴らしい。あと楽譜が一番難しかったのでこの楽章にあと4ヶ月ぐらい苦しめられるんだろうな……。

*1:コンサート情報はこちらで。連絡いただければ招待チケットご用意いたします