sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

追悼、シュヴァルツコップ

http://www.asahi.com/obituaries/update/0804/001.html

 エリザベートシュワルツコップさん(ドイツのソプラノ歌手)が3日、オーストリア西部シュルンスの自宅で死去、90歳。オーストリア通信などが伝えた。死因は明らかにされていない。

 
 旧ドイツ帝国東部ポズナニ近郊のヤロチン(現ポーランド)生まれ。ベルリンで学び、ウィーン国立歌劇場で活躍した。指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンに認められて、英コベントガーデンやミラノ・スカラ座などで成功、マリア・カラスらとともに20世紀を代表する名ソプラノとなった。英レコード会社EMIプロデューサーと結婚し、英国籍を得た。モーツァルトシューベルト、ボルフらの歌曲が得意で、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「ばらの騎士」の元帥夫人がはまり役だった。68年から74年にかけて来日公演した。79年に引退したが、後進の指導に力を入れた。バリトン歌手トーマス・ハンプソンさんは教え子の一人。

 私が音楽を聴き始めた頃にはとっくに引退していたけれども、一番好きなソプラノ歌手でした。ソプラノ歌手と言えばマリア・カラスよりもシュヴァルツコップ。公私のパートナーだったウォルター・レッグは、彼女の引退コンサートを聴きに行って亡くなっているのですが、このレッグ/シュヴァルツコップという組み合わせは20世紀の音楽界で最も音楽に厳格だった夫婦だったように思います。女性性に流れないカッコ良いソプラノ。フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団の《合唱付》は有名だけれどもモーツァルトのアリア集などがとても良い。あとはクレンペラーとの《ドイツ・レクイエム》など。


 ご冥福をお祈りします。