停滞する音楽
まだ地元、福島にいます。本日は最高気温が36度。まったく避暑地には適しない帰省になっていますが、ガンガンにクーラーを稼動させてフーコーの『言葉の物』を精読していたら日が暮れました。
BGMにしていたのは「ジム・オルークも惚れた」というアメリカのカルト・ギター・ヒーロー、ジョン・フェイヒィの『Womblife』。先日、友人が持ってきてくれたアルバムですが、初めて聴いたときはよくわからず「妙な気分になるなぁ、これ」と聴くのを止めて友人をがっかりさせてしまいましたが、何度も聴いているうちに「妙な気分」具合が体に馴染んできて、気がつくと何度もリピート再生している自分がいました。ガムランやテープ音楽のノイズみたいなものをバッグにして妙に透明感があるギターの即興演奏が続きますが、いつまで聴いても特に盛り上がる展開があるわけでもなく、ものすごくゆっくりと物語が進行していく感じ。時間の感覚が引き伸ばされてしまい、気がつくと煙草が燃えカスになっている…という不思議な体験でした。
ものすごいダウナーなんだけれど、暗くないのもまた適度でよろしい。