sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

Antonio Loureiro/Antonio Loureiro

Antonio Loureiro(MySpace)
先日タワレコで猛プッシュされていたので知ったアントニオ・ロウレイロというブラジルのミュージシャンが良いです(新譜ではなく2010年のアルバムの再入荷として取り上げられていました)。Amazonで取り扱いがなかったり、アーティスト自身のTwitter*1のフォロワー数が異様に少なかったり、MySpaceではアルバムの全曲が聴けたり、タワレコでCDを買うと3000円ぐらいするのにディスクユニオンだと2100円で買えたり、海外の音源配信サイトだと400円弱で音源がダウンロードできたり……と謎が多い人ですが、ピアノやギター、マリンバやヴァイブラフォンなど様々な楽器を操り、自らもヴォーカルを取るマルチ・プレーヤーで、かつ、まだ25歳という恐ろしい人物であります。日本でもすでに一部で大変話題になっているようで、カエターノ・ヴェローゾと比較されたりもしているのですが、個人的にはSavath & Savalas(Prefuse73の変名ユニット)が一番近いように思われました。しかし、アントニオ・ロウレイロの場合は、ギレルモ・スコット・ヘレンよりクラヴジャズへと接近し、フランク・ザッパのような変態コードワーク&奇形リズムを取り入れ、かつコルトレーン(あるいはマグマ)みたいになっている瞬間もあったりして、とにかくありえない感じ……なんだけれど、音作りのスムースさがそうした過剰な変態性を覆い隠してしまうのだから尚更すごい。変態なのだが、ロハス。チャラそうなのに、深い。このアンビヴァレンスをなるべく多くの人に体感していただきたいと思います。っつーか、こんだけのクオリティなのにMySpaceの楽曲再生数とかが少なすぎるんだよ……! いくらインディーズとはいえ、人に聴かせる気がないんじゃないか、という控えめ具合。こんな才能がポロッとでてきしまう今のブラジルは一体どうなっているのでしょうか。おこづかいがいくらあってもたりないよ!!