sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

リッカルド・シャイー/J.S.バッハ《クリスマス・オラトリオ》

Bach: Weihnachts Oratorium
Bach: Weihnachts Oratorium
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Bach Riccardo Chailly
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 リッカルド・シャイー/ゲヴァントハウス管によるバッハ・シリーズ第3弾は《クリスマス・オラトリオ》。店頭では昨年末に国内盤を見かけていたのですが値段がアレだったのでアマゾンで輸入盤を注文してみたら、年が明けたころに届きました。今年は「新譜」カテゴリーを作って新譜を紹介していきたいと思うのですが、クリスマスの名残などこれっぽちもない時に届けられたのが悔しいのでこれも2011年の新譜としてカウントしてスタートさせたいと思います。


 とはいえ、この《クリスマス・オラトリオ》(原題はWeihnachts Oratorium)、本来は教会の暦にしたがってクリスマスの日から毎祝日日曜に一部ずつ演奏されるものなんだって。で、第6部ある全篇が演奏されるのは、年をまたいだ1月6日。だから新年の曲でもあるようです(もう新年の空気もありませんけれどね……)。


 私はこの演奏で初めて、この作品を聞くこととなりました。解説によれば、過去の作品を転用も含む大カンタータ集という趣もあるそうです。バッハによる宗教音楽といえば《マタイ受難曲》が有名ですが、それと比べると《クリスマス・オラトリオ》はずっとポップ。例によって歌詞(ドイツ語)の意味は、もうしわけないぐらいにさっぱり分からないのですが、冒頭からにぎやかな感じがして聴いていてとても楽しくなってきます。《マタイ受難曲》は、もう最初から「重っ」という感じがするけれど、これは対照的に思えます(とはいえ、2曲目からレチタディーヴォになるので一気に荘厳な雰囲気になるんですけれど)。


 全体での収録時間は2時間ちょっともありますが、まあ、作品の性質上一気に全部聴かなくても許されるでしょう。しかし、シャイーの演奏には強い推進力みたいなものが感じられ(知らないあいだに)全部聴きとおすこともできました。それぐらい音楽がスムーズに流れていく。こういう音作りの上手さが、シャイーらしい部分の表れなのかもしれません。