インテリ高級ホストを審議する
実家でテレビを観ていたら、NHKの『新日曜美術館』の司会が姜尚中だったので驚いた。近年専門の政治学とはほとんど関係ない(としか思えない)ところで大ブレイクを果たし、紅白の審査員をつとめるなど姜先生の活躍の広がりには「やーねー!」のシュプレッヒコールを浴びせかけたい気分になるが、司会席に座る氏のなんだか不本意そうな仕事ぶりには苦笑を禁じえないものである。しかし、ファンとして素直に考えてみれば、あの美声が毎週テレビで聞けることは喜ぶべき事態なのかもしれない。
さて、この発言である。今終わろうとしているゴールデン・ウィークのしめくくりに、ここで未定となっている「一羽」に相応しい知識人を審議する、という試みもまた一興であろう。まず、ayakomiyamotoさんが選ぶ、現在のラインナップを確認しておこう。
(写真左から、姜尚中、亀山郁夫)こうして並べてみるといくつかのポイントが浮かび上がる。まず、第一には「メガネ」。やはりメガネが知識の象徴となる効果はいまだに根強いのであろうか。この場合、選択されるべきメガネは「縁なし」あるいは「金属フレーム」となる。「セルフレーム」のメガネはホストには相応しくない。セルフレームのメガネは、知識階級というよりもサブカルや草食系をイメージさせてしまうからだ。それから「国際的なイメージ」も重要だろうか。ロシア文学者である亀山郁夫はもちろん、姜尚中もまたドイツへの留学経験があり、語学も堪能であろう(たぶん)。以上のポイントを抑えながら選ぶならば、松岡正剛あたりが適しているのかもしれない。落ち着いたバリトンの声質なども好印象である。
しかし、こうして三人全員が中年をとうに過ぎた男性になってしまうと「ホストなのか、執事なのか分からない」という問題が発生する。この問題を解消するために、もう少し若手、例えば北田暁大などを選ぶのも良いかもしれない(ただし、サブカル臭的なものに対して若干目を瞑らなくてはならないかもしれないが)。