sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

SLY MONGOOSE/MYSTIC DADDY

MYSTIC DADDY
MYSTIC DADDY
posted with amazlet at 09.03.02
SLY MONGOOSE Takkyu Ishino
tearbridge (2009-01-28)
売り上げランキング: 14892

 杜の都にてヤバい仕事に従事する傍らDJ活動をこなしていらっしゃるid:mthdrsfgckrさんのブログでスライ・マングースの新譜が出ていることを知った。このバンドを初めて観たのは昨年の荒吐ロック・フェスにおけるザ・ハロー・ワークスのパフォーマンスでだったが、音像から立ち上ってくる「ものすごいやり手のキャリア感」と「黒っぽいのにスクエアな特殊グルーヴ感」に打ちのめされ、長らく気になっていたのである。スライかつマングース。かなりどうでも良いが、なんかエロい言葉っぽいぞ、スライ・マングース。ジャケットはメタリックなJBみたいだ。


 のっけから90年代に入ってからのキング・クリムゾンみたいなシンセからドローンが続き、その後に変拍子ファンクになだれ込むという冒頭からして最高である。スカだのダブだのファンクだのさまざまな黒っぽい(あるいは草っぽい)要素を消化しつつも、全体を覆っているのはニューウェーヴ/ポストパンク的な暗さな感じもし、オーガニックな雰囲気に拮抗するような鋼鉄のビートを醸し出しているところが素晴らしい(もはや何を言っているかよくわからんが、なんか草っぽい音楽なのに、暗いって新しくない?)。それが爆発しているのは、石野卓球(!)がヴォーカルで参加している楽曲で、「卓球氏の声がまるでJohn Lydonのように聴こえる」と評したmthdrsfgckrさんのあとに付け加える言葉がない。


 で、こういうものを聴いていると「昨今のニュー・エキセントリックなんかしょんべん臭くて聴いてらんねぇよ」と思うのである。ホントに。

 エキセントリックというなら、これぐらいエキセントリックになってもらわないとねぇ……(The Honeymoon Killers)。