リチャード・ドナー監督作品『リーサル・ウェポン』
リーサル・ウェポン [DVD]posted with amazlet at 08.12.06ワーナー・ホーム・ビデオ (2008-07-09)
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会社の同期が「これはマジで良い映画だから観ろ!」とDVDを貸してくれた。人気アクション・シリーズ『リーサル・ウェポン』の第1作目。1987年の作品とあって、映画全体に80年代風味(サントラで鳴っているギターの音色とかフュージョンっぽい曲調とか)が強烈に感じられ、またメル・ギブソンの髪型が面白すぎる。同期曰く「メル・ギブソンが自殺しようとするんだけど、やりきれなくて号泣するシーンが良いんだ」とのこと。
ダニー・グローヴァー演じる幸福な家庭を持つ初老の刑事とメル・ギブソンが演じる妻を交通事故で亡くして精神が荒れまくっている刑事のコンビには、「持つもの」と「持たざるもの」という対照的な関係がある。物語は持たざるものであるメル・ギブソンは、ダニー・グローヴァーやその家族と交流することによって、次第に荒れた精神を回復していくような流れになっているのだが、その一方で終止メル・ギブソンはブチ切れながら拳銃で悪者をブチ殺しまくっているのであり、一体どこで立ち直ったのか(物語の最後ではメル・ギブソンが自殺を諦めるところが描かれる)がさっぱり分からない。回復への決定的な契機が劇中で描かれないのである。とはいえ、それが物語の欠陥となっているわけではなく、楽しく鑑賞することができた。「なんで回復したかわからないけど、まぁ、良いか……面白かったし」という感じで。