sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

ウィリアム・ウォルトンの交響曲に殺される

Walton: Symphony No. 1; Orb & Sceptre; Crown Imperial

Telarc (1990-10-25)
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 本日のオケの練習でイギリスの作曲家、ウィリアム・ウォルトン交響曲第1番を代吹き*1をしました。そのとき、まだ一度も作品の音源を聴いていなかったのに自分から「あ、○○さんお休みなら僕吹きましょうか?」などと*2自分から言ってみたのは「イギリスの作曲家?どうせ、ロマン派にちょっと毛が生えたぐらいでしょ?」と思っていたからであります。これが大きな間違いでした……。これまで演奏してきた曲のなかでも、トップ・クラスの難しさ、というか調性を持った交響曲という広いカテゴリでもトップ・クラスの難易度を誇っているのではなかろうか、というぐらいに難しさ。マジで殺されるかと思った……。管楽器はロベルト・シューマン交響曲のように吹きっぱなしだし、ものすごく疲れる。
 しかし、これは演奏に参加していてとても勉強になる、というか新しく興味がもてるような経験でもありました。凝りに凝りまくったリズム(変拍子とシンコペが嵐のように頻発する)と、入り組みまくった構造(ものすごくガチガチのフーガ)は「これがイギリスかぁ……産業革命!!」というよくわからない感慨深さを与えてくれます。グスタフ・マーラー交響曲の演奏時間を拡大することで、その楽曲概念を改変していったのだとするならば、ウォルトン交響曲には、密度を極限まで高めることによって概念の改変を試みたかのようなところがある気がしました。凛とした美しさも魅力的で、いつ人気が出てもおかしくないようにも思います。id:HODGEさん、こういうのはどうですか?――とピンポイントでオススメ。

 Youtubeには第1楽章からの抜粋がありました。若かりし頃のサイモン・ラトルフィルハーモニア管弦楽団を振っている映像(綿毛のような髪の毛がまだ黒い!)。この部分だけでも超重量級の荘厳さですが、なんかずっとこういう感じだった気がする……。

*1:練習を休んだ人の穴埋めをしておくこと

*2:オケで一番ヘタクソの癖に……