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2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

中原昌也『中原昌也作業日誌2004-2007』

中原昌也 作業日誌 2004→2007
中原 昌也
boid
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 読了。最初から最後までとても面白く読みました。もはや病的ともいえる怒涛の量の買物量(書籍・CD・DVD)の記録はもちろん、やはり自分のリアルライフと重なりあう部分が書かれているのが面白い。2004年から2007年の9月までの間に、どのようなイベントがあったか、どのような映画が公開されたか、どのような人物が亡くなったか……etcを知ることもできる貴重なドキュメントでもありました。この日記を読んでいて、シド・バレットが亡くなったのが2006年だということや、去年は山口小夜子が亡くなったよな……ということを思い出しました。
 中原昌也の趣味が現代音楽もカバーしていることをこの本で初めて知りました。ブーレーズシュトックハウゼンクセナキス、ノーノといったメジャーどころ(?)はもちろん、マウリシオ・カーゲルなど割と地味な部類にも手を出しているのには感心してしまいす。ノイズもそうだけれど、ちゃんとこういう音楽のCDにお金を払っているのが偉い!――完璧にわけのわからないものにお金を費やす、これを豊かな行為と言わずしてなんと言えましょうか。未知のもの/理解不能なものに対して身銭を切って触れようとする貪欲さは個人的に見習っていきたいものだと思います。