荒吐ロックフェスティヴァルにいってきた。
宮城県にて開催された荒吐ロックフェスティヴァルへと足を運んだ(26日と27日、両日ともに)。いままでいくつかのロックフェスを観に行った中でも、かなり楽しい時間を過ごすことができたと思う。なんだかんだ言って、私も「フジの楽しさは別格」とか言っちゃうタイプなんだけれども、荒吐も結構良いフェスだった。東北出身なので、地元贔屓っていうのもあるけど、夜の寒さを除けばこの時期のフェス開催は楽で良い。あと、東北物産展ブースが立ち並ぶスペースがあり、やたらユルユルの運営も良かった。ネオ屋台的なフェスご飯も良いが、どうせなら「ここでしか食べられないもの」を食べておいたほうが良い。なので、ビールなどくだらないものを飲まずに、日本酒を飲むべきだ!と言いたい。300円でコップに並々と注いでくれる一ノ蔵、浦霞など「なんか安くないか……?フェスなのに……」と余計な心配が生まれるほどである(あと一ノ蔵は熱燗でも旨いと知れたのも良かった)。
1日目(26日)から振り返ってみる。この日は、「特にこれは観たい!」というのがチャットモンチーぐらいしかなかったので、適当にフラフラしていた。雨が降ってきて寒かったので熱燗ばかり飲んでいた気がする。
- ミドリ
モッシュピットに行ったら、予想外の激しさに途中で後ろの方に逃げた。パフォーマンスは「関西ゼロ年代ってすげーんだなー……」という思わず唸らされる圧倒的なカッコ良さ。ヴォーカルの女子高生の制服(夏服!)の人とか「なんかコスプレとか?オタクっぽい客層狙ってんの?」などと思っていたのだが、その誤解についてひたすら謝りたくなるぐらいの体を張っていて良かった。PAによじ登って、葉桜をバックに歌ってる姿(しかも制服コス)がツボ過ぎた。
地元インディの女子プロレス団体。観るものがなかったので話のネタにでも……と思って観戦するも、素晴らしくて感動した。いやー、女子プロってホント青春スポ根っぽくて良いなー。あとアジャコングが特別参戦してたんだけど、一斗缶やパイプ椅子などによる凶器攻撃も見れたし「試合の作り方がうまいなぁ」と感心させられた。
全然聴いたこと無かったが、一緒に行った女の子が観てたので観る。なんか変なバンドで面白かった。リードギターの人が、あきらかにヴォーカル兼ギターの人よりヘタクソなのに、ものすごい手癖だけで特殊な魅力を放っているところが良いなぁ、と思う。ヘタだけどすごく良いというタイプで言うなら、ジミー・ペイジみたいであった。あとリズム隊が上手い。サビの部分でドラムが急にシンプルな感じになっちゃってイマイチ楽しくないのと、ヴォーカルに華がない……(フロントマンの資質って複雑だなぁ…)。でも、最後に演奏した曲は、一部ジェントル・ジャイアントみたいになってて好きだ!
- BLACK BOTTOM BRASS BAND
神戸のスカバンド(?)。ちょっとだけ観たら、関西の良い感じのオッチャン集団っつー感じがなかなか楽しかった。
スチャダラパー + SLY MONGOOSE + ロボ宙。曲は知らなかったが、すごい楽しいライヴでこの日のベストアクト。スチャダラパーってもうなんか天才的に客を楽しませる方法を知っている人たちだなぁ、と思った。あとボーズが太ってて、アニが痩せてたのが衝撃的。ラストは、ハナレグミが乱入し「今夜はブギーバック」を。途中で急激にテンポが落ちて、ダブ・エフェクトがギンギンになるところが異常にカッコ良かった。野外でダブはヤバい。
彼女ら目当てで来たのに、あんまり良くなくてしょんぼり。録音では「なんかいしわたり淳治の趣味丸出し」みたいなギターが何本か重なってるけれど、ライヴだとギターが一本だけなので音がスカスカ。野外だったせいか、余計に寂しく感じた。ただ、小さい女の子がジャギジャギとしたギターを弾いているという姿は「高校時代、バンドやってる女子高生と付き合って観たかった!」というかなり限定された欲求を達成できなかった私の心を少し潤してくれるものだったと思う。
一緒に行った47歳のオジサンが「これはヤバいよ!」と激プッシュしていたので途中から観た。が、むちゃくちゃ良かった。どっから見てもよっぱらいジジイなのに、出てくる声やギターがカッコ良すぎ。「良かった!」としか言えないぐらい良かったよ……。
このへんでもう寒すぎだし、寝てないし(4時起きで新幹線に乗った)で、かなりやる気がなかった。立ったまま眠りつつ、観る。「あれ……こんなにつまんなかったっけ……」とか思う。これを最後にホテルへ戻る。
2日目(27日)。初日以上に「これと言った思い入れがないラインナップ」であんまりやる気が無かった。朝イチで米沢の有名な「牛肉どまんなか弁当」(全国の駅弁ランキングの上位に必ず入るもの)を食べた瞬間、ほぼ満足したところさえある。久しぶりに食べたけど、美味しいな、やっぱり。朝早かったせいか、まだちょっと温かくて感動した。
知らなかったけど、むちゃくちゃ盛り上がってた。「私が知らない間にインストバンドに対しての風当たりは優しくなってたの?」と聞きたくなるほどのブチ上がりっぷり。ただ、ベースとバスドラの音がやたらとデカくて、細部で何をやってるのか一切わからず。まったく乗り切れなかった。あと、単調。でもステージのうえにレズリー・スピーカー(スピーカーを回転させて音を変える、というむちゃくちゃアナログな機材)が置いてあって「あー、これがレズリー・スピーカーかぁ。初めて見たー」というどうでも良いところで感心した。
SPECIAL OTHERSに全然ノレなかった反動もあり、改めてむちゃくちゃにカッコ良い!と思った。この手の「キレイで、なんかミニマルにフレーズを反復させてて、若干エモい」みたいなポストなんとか風というか、音○派風みたいなインストバンドでは、ちょっと飛びぬけてる気がする。ドラムの変態っぷりが自分の好みどまんなか、っていうだけかもしれないし、やたらブレイクが入る曲の構成がツボっていうだけかもしれない。気がついたら最前列で観てた。意外とギターは足元シンプル。ワンマン観に行こう、とか思った。
ちょうど「テレフォン・ラブ」のコールアンドレスポンス(もはや曽我部恵一BANDの伝統行事と化した)のところから観る。良い曲を作る人だなぁ、と前々から感心していたけれど、まったく思い入れはない。ほとんど曲もしらねーし。ただ、それでも観てて楽しい気分になるところがすごい。曽我部の大物性というか、スター性を感じてしまう。カッコ良くないけど、カッコ良い。
髭を観に行こうかと思ったけど、どうでも良くなってビール飲みながらプロレス観戦。メインマッチが新崎人生で「これは見なきゃダメだ……!」という感じはしていたけれど、実際、ホントに観て良かった。前から3列目ぐらいの位置を確保していて、拝み渡りやらシューティングスタープレスやらケブラーダをものすごい距離で観ることができた!惜しみない!
このときまでに日本酒→ブランデー→ビール何杯かという飲みっぷりだったので3曲目ぐらいまでで立ったまま眠ってしまい、ステージのずっと後ろの方へと退却。全然覚えてない。そのまま昼寝に入って、起きたらDouble Famous見逃してた。寒かったので、はっと汁(郷土料理らしい)を食す。
はっと汁を食べるついでに近くのステージでやっていたのを観る。まったく興味が無かったけど「Charの息子」ってだけあって、やっぱりスター性っつーか、そういうのが違うなぁ、と思う。「ラヴ&ピース」とか「9.11が……」とかそういうことを、全く恥ずかし気無く言ってそうな感じと言うか。
可愛かった……。決して技巧的に優れた歌手ではないのだが、原田知世の声がもつ自然さとか心地よさがすごい。
- FRICTION
RECKのベースがえらいことになっていた。衝撃的である。ボーッと「うわー、なんかすっごいな……」と観てたら終わった。すごいものを観たとしか言えないぐらいすごい。
この後、寒くて死にそうになったのでジュンスカを適当に観て帰った。清志郎は、まだ観る機会あるだろうからパス。