マルクス・マラソンはじめました
資本論 1 (1) (岩波文庫 白 125-1)posted with amazlet on 08.03.12
一昨年はプルーストの『失われた時を求めて』、昨年はセルバンテスの『ドン・キホーテ』と「長いので有名な本」を毎年ワンタイトルぐらい読むんですが、今年はカール・マルクスの『資本論』にしようかと思います。全9巻の読書マラソンのはじまりです。
第1巻は最初からずっと「第○版への序文」が続いてるので少し面食らったけど、とても面白い!思っていたほど難しくないし、訳がちょっと古いけどマルクスの語り口って軽妙(あんな顔してるのに、結構ユーモアを含んだ文章)。今、ちょうど「AとBが違うものなのに、交換可能であるのは(いや、違うものだからこそ交換するんだけど)労働ってのが一つのものさしになっててさぁ……」という話がはじまったところです。
実は全然難しくないのに、長い、ってだけで難解本扱いされてる本って結構あると思うんですが『資本論』もそのひとつかもしれません。もっとも、ここに書かれている理論を分析の方法として用いたり、何かの議論のアナロジーとして使ったりしたい、または「私は赤い旅団に入るがために『資本論』を読むのである!」という意思を持っているのであれば話は別ですが、そういった意思をもたないノンセクト、ノンポリな方々にも優しい本です、たぶん(ものすごく教育的に/啓蒙的に書かれているし)。このあたりに「やっぱり、これもひとつの近代思想なんだなぁ」とか感じたりする。
で、いつものように区切りがつくごとにブログにメモとか感想とかを書いていこうと思っています。間にルカーチとか挟むかもしんないけど。