くるり『ワルツを踊れ』
- アーティスト: くるり
- 出版社/メーカー: Viictor Entertainment,Inc.(V)(M)
- 発売日: 2007/06/27
- メディア: CD
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クラシックのクリシェや、ロマたちが奏でるメロディ(エミール・クストリッツァの映画に流れているような)、歌謡曲の暗さ、カントリーの朗らかさ……etc。掬っても掬っても掬いきれないほど多くの音楽的要素がこのアルバムから響いてくる。なんだか「ポップの源流」をみるような思いで聴いてしまう。
めざましテレビのランキングでアルバム売り上げランキングでこれが3位になっているのを見たんだけれども、こういう極めてノマド的なバンドによるとても奇妙な「ポップス」が、認知され、人気があるってとてもすごい状況だと思う。10CC(ゴドレイ&クレームがいたころの)やXTCがテレビのスピーカーから聞こえてくる……という現実がやってきてもおかしくない。誰も喜ばないかもしれないが。
何度も聴いてしまうとひねくれ方に慣れてしまって、だんだん普通になってしまうけれど、最初はすごく和声とメロディの進行にびっくりしてしまった。ここまで和声の緊張と解決を意識させてくれる音楽を耳にするのは、宇多田ヒカル以来。