内田光子、シェーンベルクを語る
ジミヘンばりに顔面崩壊しながらピアノを弾くことで有名な日本人ピアノ奏者、内田光子がシェーンベルクのピアノ協奏曲について語る映像を見つけました。陽気な感じで早口に喋るのが意外。
あなた方はきっとこの曲を丸ごと記憶しておくことは出来ないでしょう。構造やこの曲について全てのものごとを説明することはできます、しかし、(音楽に耳を傾けるジェスチャーをして)ただこのように音楽に耳を傾けて欲しいのです。それが全てです(意訳)
「現代音楽を聴く」という行為について、ものすごく真っ当なことを言っている。とても奇怪な音楽を耳にして、その意味を探ろうとする。それは真っ当な行為だけれども、意味づけするのは後からで良い。コンサート・ホールの椅子に座ったらじっと、音楽に耳を傾け続けるべきだと思う。
シェーンベルク :ピアノ協奏曲 作品42posted with amazlet on 07.03.14
内田光子のシェーンベルクはCDもある。ブーレーズのバッキバキに明晰な解釈とクリーヴランド管(かつてジョージ・セルという星一鉄のようにおっかなくて強権的な指揮者によって鍛え上げられたアメリカの名門オケ)との相性が悪い訳がなく、涙も凍てつくような強力な伴奏を得て内田光子が駆け巡る名演です。
ズービン・メータ/イスラエル・フィルと共演したベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の映像も出てきた。演奏は言うまでも無く素晴らしい(弱音のニュアンスや、ルバートなどとても繊細だ)。あと、この映像カメラワークがクラシックの映像にしてはやたらと動きがあって面白いですね。カットアップか、っつーぐらいにカメラの切り替えが激しくて目が回りそう。
Beethoven: The 5 Piano Concertosposted with amazlet on 07.03.14Ludwig van Beethoven Kurt Sanderling Bavarian Radio Symphony Orchestra Royal Concertgebouw Orchestra Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks Mitsuko Uchida
Philips (2005/10/11)
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CDはクルト・ザンデルリンクとの共演。この内田光子・ザンデルリンクのコンビによるピアノ協奏曲全集では、メータ以上に有機的な響きを強調するザンデルリンク引退直前の至高の演奏が聴ける。