俺様が選ぶ「のだめ」サントラ!
「のだめオーケストラ」LIVE!posted with amazlet on 07.02.06
こんなCDが出ていたのをさきほど知った。『のだめカンタービレ』のドラマに使用された音源を集めたアルバムだそうである。曲目を見ると《ラプソディ・イン・ブルー》の「ピアニカ・バージョン」とかモーツァルトの連弾曲の「2小節で間違えるバージョン」などが入っているらしく、ドラマを見ていなかった私にはどんな内容なのかさっぱり分からず、特に買う気も起きない。
ところで、毎度「よくこんなろくでもないことが書けるなぁ」と様々なコメントが寄せられることで有名なアマゾン・レビュー機能にこんな文章が載せられていた。
ただ、サントラですから、曲も途中で切れていますし、TV用ということで、低域、中域の音が切り落とされて、ピアノが電子ピアノの音のようになっています。はっきり言って長時間聞くとしんどいです。/これを機会に本格的なクラッシクCDを求めてみるのも楽しいと思います。のだめ関連曲を検索すると、廉価盤で、もっといい音、いい演奏がありますよ。
「もっといい音、いい演奏がありますよ」とアマゾン・レビューにしては真っ当なことが書いてある(っていうか、それを分かっていながらどうしてこのレビュアーの方がこのサントラを購入されたのか甚だ謎なのだが)。しかし、ここ何年かで廉価盤の数も増えており、検索をかけても1000円代のアルバムが複数出てくる昨今である。のだめでクラシックに興味を持たれた諸氏もこれでは複雑性を前にして選択の意思決定ができないであろう。
だったら、俺様が選んでやろうじゃないか。
ベートーヴェン:交響曲第5&7番posted with amazlet on 07.02.06
音楽の権化のような指揮ぶりで亡くなった今もクラシック・ファンを魅了するカルロス・クライバーの演奏。快速テンポでかっ飛ばす解釈。爽快。
ベートーヴェン:交響曲第9番posted with amazlet on 07.02.06クレンペラー(オットー) フィルハーモニア合唱団 ホッター(ハンス) クメント(ワルデマール) レーブベリ(オーセ・ノルドモ) ルートヴィッヒ(クリスタ) フィルハーモニア管弦楽団 ベートーヴェン
東芝EMI (2004/06/23)
売り上げランキング: 5831
元祖メガネ男子指揮者、オットー・クレンペラーの「第九」。情感に流されない落ち着いたテンポの設定のなかで広がる豊潤な音色はまさにツンデレ。音楽の裏側が透けて見えるようなオーケストラのコントロールが素晴らしい。
ガーシュウィン:作品集posted with amazlet on 07.02.06オムニバス(クラシック) ロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団 バーンスタイン(レナード) ガーシュウィン グローフェ サンフランシスコ交響楽団 小澤征爾 プレヴィン(アンドレ) ピッツバーグ交響楽団 シカゴ交響楽団
ユニバーサルクラシック (2005/03/23)
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ピアニカ・バージョンはさすがに無いので、レナード・バーンスタインのピアノ(と同時に指揮)のものを。爆音で鳴り響くブラス・サウンドが心地良い快活な演奏。
- ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番posted with amazlet on 07.02.06
旧ソ連の伝説的ピアニスト、スヴャトスラフ・リヒテルとカラヤンによる名演。レコーディングの際、リヒテルはカラヤンに対して終始キレ気味だったそうだけれど、そんな確執が音楽に向かう情熱になってんじゃなかろうか、という温度を感じる。
モーツァルト:オーボエ協奏曲posted with amazlet on 07.02.06
オーボエ奏者というとハンスイェルク・シェレンベルガーやフランソワ・ルルーといった太くて甘い音色で魅了するタイプの演奏家が人気だけれども、ハインツ・ホリガーの燻し銀で硬質の音色が黒木くんっぽい気がする。
ブラームス:交響曲第1番posted with amazlet on 07.02.06
今、Youtubeで『のだめ』ドラマのブラームスを確認したら、やっぱりミュンシュ/パリ管の演奏を下敷きにしている感じがした。けど、ミュンシュの方が100倍ぐらいカッコ良い。轟音で聴くと尚素晴らしい(のだめオケ、冒頭のキモであるティンパニが気合は言って無さ過ぎ)。
アンネ=ゾフィー・ムター(アンドレ・プレヴィンとは離婚しました)の超情熱・濃厚なカルメン。顔の濃さもカルメンの妖艶さと重なる。
バックハウス/ベートーヴェン:四大ピアノ・ソナタ集posted with amazlet on 07.02.06
ヴィルヘルム・バックハウス。定番中の定番。バックハウスのソナタ全集はクラシック・ファンの宝物なのだ。
モーツァルト:2台Pのソナタposted with amazlet on 07.02.06
大体この曲自体、そんなに人気があるとは思えないんだけど、ペライア&ルプーならとても素敵に演奏してくれる。
モーツァルト:魔笛 全曲posted with amazlet on 07.02.06ベーム(カール) アルント(ギュンター) ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 リアス室内合唱団 ピータース(ロバータ) リアー(イブリン) クラス(フランツ) ブンダーリヒ(フリッツ) レンツ(フリードリヒ) モーツァルト
ユニバーサルクラシック (1998/05/13)
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カール・ベームの文句なしの名演。「夜の女王のアリア」、人間の声に聴こえないなぁ。
ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番&第9番posted with amazlet on 07.02.06
ダヴィッド・オイストラフ(旧ソ連最高のヴァイオリン奏者)とレフ・オボーリン(第一回ショパン・コンクール優勝者)のデュオ。見ためは渋いけれど、深みのある音色で粘るように弾く。際立つメロディの美しさ。
バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ全曲posted with amazlet on 07.02.06
ヘンリク・シェリングの名演まで1000円になってるのには驚きを隠せない。これはマジで一家に1枚(ソナタの全集もあわせると2枚になるが)。パルティータ第2番の最終楽章「シャコンヌ」は私がもっとも好きな曲の1つ。
うちにショパンのCDが全くないのであげあれません。ポリーニとかアシュケナージとか聴いておけばいいのでは。
- ドビュッシー:《喜びの島》
ドビュッシー:ピアノ集(2)posted with amazlet on 07.02.06
サンソン・フランソワが遺した高揚感ある演奏。音楽が一気に広がっていく瞬間に堪らないエクスタシーを感じる。
ムソルグスキー:展覧会の絵posted with amazlet on 07.02.06
ロシア・ピアニズムの継承者、イェフィム・ブロンフマンの堅実なる演奏。
シューベルト : ピアノ・ソナタ 第16番 イ短調 D.845posted with amazlet on 07.02.06
顔面芸術家、内田光子の名演。影がしのびよってくるような迫力あるシューベルト。すげぇ綺麗。
なんだかんだで定番ばっかりあげてしまった。