sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

ミサイルとプログレ

 西の方から東へとミサイルが飛んできて新聞も大騒ぎ。職場(喫茶店)の方にも、昼飯時にブツブツと新聞とその問題について対話している人がいて不気味だった。昔はこういうことが起こるたびに(オウムであったり9.11であったり)「あー、俺んとこにもなんか被害あって全部めちゃくちゃになっちまわないだろうか」とネガティヴ全開の思考をめぐらせていたものだけれど、いつの日か、そんな風に思わなくなり今は「あー、ミサイル落ちなきゃいいなぁ」とか思う。死にたくはないよねぇ。歳を取るごとに生への執着心は強くなっていて、それは成長の証なんかもしれないけど、悟りの道は遠いなぁ。


 「めちゃめちゃになってしまえば良いのに」*1とかなんであの頃考えてたんだろうなぁ、とか考えていて、ふと宮台真司の使う言葉が思い浮かんだ。「世界の根源的な無規定性」、「生の無目的性」、「主体の交換が可能である社会」への気付きとそれに伴う鬱…というかね。宮台さんは「キング・クリムゾンの自己破壊的な…」とか「シンフォニック系のプログレの宇宙性が…」とか言いますけれど、それがものすごく分かってしまうのは、その鬱だった頃にプログレばっかり聴いていたからであって、それはちょっとイタい経歴である。でもその頃は「変拍子で世界が変える!」とか本気で思ってたんだから(仮想敵はメロコア/パンクスね)。


 懐かしくなってキング・クリムゾンを聴きなおしたりしていた。っていうか棚調べていたら買ったけど一回も聴いていないCDとか出てきてビックリしちゃったよ。2000年発表の『The ConstruKction Of Light』。ビル・ブラフォード、トニー・レヴィンがいなくなったアルバム。「80年代以降のクリムゾンはクソ!」とか思っていたんだけれど、ニューウェーヴ再評価以降の耳を以って聴くと良いアルバムが多くてビックリする。このアルバムには一曲もキャッチーな「アルバムの代表曲」が入ってないから印象薄いんだけれど、この前の『Thrak』とか最高です。ギター、ベース、ドラムが二人ずついる『ダブルトリオ』っていう触れ込みで、二本のベースの絡みがパキパキのポリリズム・ファンクでかつ変拍子ですごいんだからもう。このアルバムだとのダブル・トリオを解消しちゃって、そこまでカッコ良くない。けどブライアン・イーノ絡みのニューウェーヴ臭さが抜けて70年代の泥臭さが立ち上がってる感じ。それはそれで良い。

 
 聴いているうちに、付き合ってた女の子のこととか、6年ぐらい前の2ちゃんロック板の雰囲気とか思い出しちゃって、なんだか赤面。こういう「聴けば思い出が蘇ってくる音楽」とかさ、たくさん作っとくと面白いんだけれど、私にとってプログレは全て「ちょっと塞いでおきたい暗黒面」です。好きなんだけど。「はてなTシャツ欲しい!」もらえるものは全部欲しい!

*1:こういうのをセカイ系って言うんですか?