sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

目が覚めるような

 イラン×メキシコ戦を観た。スピーディーにボールが動き、双方の個性がぶつかり合いながら最高のゲームを繰り広げていた。大変興奮して目が冴えた。こういうイベントが無い限り私はサッカーを観ないのだが、昨年のコンフェデレーションズ・カップ以来メキシコのスタイルを「カッコ良いサッカーだなぁ」と思っていたのを今回再確認する。フィールドを網目状につなげていくようなパス回しは、エリアスの思い描いた社会の構図と似ている、なんて思ったり*1


 イランと言えば、アフマディネジャド大統領の言動と核開発について問題になっているけれども、本人は「W杯観に行きたい」と言っているらしい(サッカーが好きなんだそうな)。それに対してドイツは「うちに来たら逮捕しちゃうゾ」的な反応。最初「なんでドイツは怒るんだろう。W杯だって平和の祭典だろうに…」と思ったけれど、「スポーツがイデオロギー闘争の道具、政治の道具で無くなったのなんてつい最近のことじゃん」と考えるとドイツの態度はとても真っ当なものに思えてきた。それとドイツの反応は首相の靖国参拝に対する韓国・中国の反応と似ている気がする。


 …などと普段ノンポリで過ごしているのに、サッカーのおかげで世の中についてまで考えてしまった(スポーツって素晴らしい!)。しかし、「ホロコーストは無かった」的発言をする人が「ドイツにサッカー応援しに行きたい」って政治的態度とスポーツ愛が思いっきり乖離しているわけで、っつーか、アフマディネジャドも結構可愛い人なんじゃなかろーか。そういう二重性には結構惹かれるところがある。「極道だけど、実はキティちゃんのコレクターです」みたいな。そういうのってものすごく可愛い。

*1:そしてブラジルは《有機的連帯》。