俺、ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーターを聴く
Least We Can Do Is Wave to Each Other (Mlps)posted with amazlet at 10.12.18
会社の上司から借りたCDを聴いていくシリーズ(前回は、ロキシー・ミュージックを聴いた*1。今回はイギリスのヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター。このバンド、プログレがらみの濃い目の話をしているとときどき話に出てくる人たちでずーっと気になっていたのだが、聴くのは今回が初めてなのだった。ピーター・ハミルさんという人が中心となって活動したり、解散したりしているバンド、らしい。このピーター・ハミルさんに関しては、なぜか私のなかでスティーヴ・ヒレッジさん(ゴングとかシステム7とかの人ね)と混同されていた。上にあげた『The Least We Can Do Is Wave To Each Other』は69年発表のセカンド・アルバムで、フルートやサックスといった管楽器と、鍵盤楽器の織り成す重厚な音作り(キーボードがとくに重い)がなかなか魅力的な一枚であると思った。重厚、というか、はっきり言って「もっさり感」と言って良いと思う。このあたりの微妙に垢抜けないサウンドが、キング・クリムゾン、ジェネシス、ピンク・フロイド、EL&Pと言ったいわゆる「プログレ四天王」と同列に語られない理由なのかもしれない。演奏も飛びぬけて上手くない。でも、好きな人はこれがたまらなく好きなのだろうなぁ……。ピーター・ハミルさんのヴォーカルは、攻撃的なロックンローラータイプの声質ではなく、どこか翳があってなかなか沁みるものがございます。聴いていたらイギリスのニルヴァーナを思い出しました。
H to He Who Am the Only One (天地創造)posted with amazlet at 10.12.18
こちらは70年発表の三枚目『H To He Who Am The Only One』。邦題は『天地創造』と、えらいことになっています。直訳すると「水素からヘリウムへの転換、それが唯一のものである」というSFめいた感じになるのかな。一曲だけギターでロバート・フリップが参加していて、ギューーーーンという例の長い音のギターを弾いている(なんかこの頃から、このギタリストは芸風がちゃんと定まっていたのだな、と思った)。聴いてて思ったのは、ピーター・ハミルの声質ってデヴィッド・ボウイっぽくもある。もっさり感はちょっと洗練されて、音抜けが良くなっている気もする。あと他に4枚組の『The Box』っていうボックス・セットも借りました。ジョージ・マーティンの「Theme 1」のカヴァーが入っていて、これをずっと聴きたかったので良かった。