sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

読売日本交響楽団第497回定期演奏会 @サントリーホール 大ホール

曲目
指揮:スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
シューベルト交響曲第7番《未完成》
ブルックナー交響曲第7番

 10月の読響定期は桂冠名誉指揮者、スクロヴァチェフスキが登場。前売りだけでチケットが完売・・・・・・と御歳87歳の指揮者の人気がこれほど高いのをみるにつけ、まるでこの国が儒教の国になったかのような錯覚をいだきさえするのだが(最初に指揮台にあがっただけでブラボーが出そうな音量の拍手が巻き起こる!)、今年の3月に常任指揮者としては最期に演奏したブルックナー交響曲第8番の記憶が強く残っていて、個人的にも楽しみな演奏会でした。しかし、結果はうーん・・・・・・というもので残念。もちろん悪い演奏ではなかったのですが、普通・・・・・・という感じ。スクロヴァチェフスキのブルックナーを聴いたら、また泣いてしまうのではないか、という予感、そして期待が強すぎたか。オケのせいなのか、自分のせいなのか分からないけれど、今日のブルックナーはちょっと退屈なぐらいでした。


 ここまでハマれなかった理由を全部オケのせいにしてしまうと、今日のブルックナーでは、音楽へと没入するのを妨げるような「いかがなものか」と言った部分が序盤か目立っていたように思います。読響のホルンってこんなものだっけ・・・・・・? と。あとクラリネットの音色もちょっとささくれ立っててヤでした。今日のブルックナーの出来であれば、前プロのシューベルトのほうが良かったです。なんかサラーッと演奏している感じがしたんですけれど、演奏にも集中力を感じましたし、音楽も実にクリアな感じ。もうクリア過ぎて普通! なんですけれども、良かった。デモーニッシュなところがひとつもない。でも、そこが良い。正直、いつも前プロからこの水準で演奏してくれよ、と。


 そういえば本日の演奏会では「拍手は指揮者がタクトを下ろしてからしてください」というアナウンスが入っていました。フライング・ブラボーに対してスクロヴァチェフスキが説教をおこなった、とか、フラブラした客とその近くにいた客がケンカになった、とかいう話を小耳に挟んだことがありますが、おそらくこのアナウンスもフラブラ対策なんでしょう。よっぽど嫌だったんだな・・・・・・(私も嫌だなあと思いますけれど)。