4月から6月の注目コンサート情報
ふと思い立って、4月から6月の注目コンサート情報をブログに書いてみることにする。ここで「注目」と言っているのは「俺が行く」のと同義であります。結構海外から大物ソリストが来日しているんだけれど、チケットが高いので全部無視!(5月のポゴレリチのリサイタルは聴きに行きたかったな)。それではまず4月から。
2010年4月22日(木) 東京藝術大学奏楽堂
藝大21 創造の杜「ヤニス・クセナキスの音楽」
曲目
《ピソプラクタ》
《イオルコス》(日本初演)
《メタスタシス》
《シルモス》――弦楽合奏のための
《デンマーシャイン》(日本初演)
演奏
ジョルト・ナジ(指揮)/藝大フィルハーモニア
チケットなどの詳細(ぴあ)
死後9年になるヤニス・クセナキスの特集。デビュー作《メタスタシス》ほか初期作品と、日本初演となる晩年の作品が演奏される。聴き終わったら2キロぐらい体重が減っていそうなヘヴィ級のプログラムだが、演奏するほうはもっと大変か……。2000円でクセナキスを聴きまくれる機会など、あんまりないだろう。初期作品のほうはアルトゥール・タマヨ/ルクセンブルク・フィルの管弦楽作品集(5枚組ボックス)の5枚目に収録されている。予習はそちらで。正直、数学や確率論を使って作曲した……云々という作曲法の理論的側面については、よくわからない(っていうか、どうでも良い)けど、カッコ良いっす。大きな音の群れなかで、細かい音符がウネウネとしているところとか。
Works for Orchestraposted with amazlet at 10.03.27
2010年4月26日(月) サントリーホール
読売日本交響楽団 第492回定期演奏会
曲目
ベートーヴェン/序曲〈コリオラン〉
《マーラー・イヤー・プログラム》
マーラー/交響曲第10番 から“アダージョ”
《3つの〈ペレアスとメリザンド〉》
シェーンベルク/交響詩〈ペレアスとメリザンド〉
指揮
シルヴァン・カンブルラン
チケットなどの詳細(読響公式)
2010年度の読響サントリー定期の一発目は、スクロヴァチェフスキに代わる読響常任指揮者、カンブルランが登場。カンブルランは2010年度「3つの《ペレアスとメリザンド》」というテーマを設定している。フォーレ、ドビュッシー、シェーンベルクによる《ペレアスとメリザンド》を演奏するみたい。カンブルランってどんな指揮者か全然知らないんだけれども、ラッヘンマンの《マッチ売りの少女》を指揮してたりするのね。現代音楽系が得意なんだろうか。
2010年5月8日(土) 紀尾井ホール
クァルテット・エクセルシオ 〜フランスの薫り
曲目
ドビュッシー/弦楽四重奏曲 ト短調 Op.10
デュティユー/弦楽四重奏曲《夜はかくの如し》
ラヴェル/弦楽四重奏曲 ヘ長調
チケットなどの詳細(クァルテット・エクセルシオ公式)
5月は5回もコンサートの予定が入っているのだが、その1発目。演奏者についてはよく知らないけど、新進気鋭の弦楽四重奏団、ということらしい。ドビュッシーとラヴェルが書いた近代フランスを代表する2大弦楽四重奏曲のなかに、フランス現代音楽界の最長老(94歳)ディティユーの作品がねじ込まれている。ドビュッシーとラヴェルはとても好きな作品だから、生で聴くのが楽しみである。
2010年5月11日(火) サントリーホール
読売日本交響楽団 第493回定期演奏会
曲目
ショスタコーヴィチ/交響曲第7番〈レニングラード〉
指揮
ユーリ・テミルカーノフ
チケットなどの詳細(読響公式)
テミルカーノフの《レニングラード》。この人って、ムラヴィンスキーの後をついでレニングラード・フィル(現サンクトペテルブルグ・フィル)の音楽監督のポストについてるんだから、一応は「ロシアを代表する指揮者」なのだろうか。イマイチどんな演奏をするかよくわからない。ショスタコの第5番以外が定期演奏会で取り上げられる、っていうのもなんだか普通の感覚で捉えられるようになったのだなぁ、というのがなんだか感慨深い。ポスト・マーラーの座に定着した、という感がある。
2010年5月19日(水) LIQUIDROOM
ジェームズ・チャンス&ザ・コントーションズ
出演
ジェームズ・チャンス&ザ・コントーションズ
FRICTION
SADY&MADY
チケットなどの詳細(ぴあ)
コントーションズ来日! ジェームズ・チャンスも立派にオッサン化しているわけで、かつてのキレキレのパフォーマンスの望んでも仕方がない。こういうのはお布施を払ってありがたいものを観に行くみたいものである。
2008年の時点でこんな感じ。想像していたよりはひどくなってないが、こういうバンドも伝統芸能化してるっつーか、なんか和むよね……。この緩慢な動きを生で見たら、妙に感動して泣いちゃうかもしれない。ザ・フーの来日公演見たときも変に感動したもんな……。
2010年5月27日(木) 東京オペラシティ
〈コンポージアム2010〉トリスタン・ミュライユの音楽
曲目
2台のオンド・マルトノのための《マッハ2,5》(1971)*/**
オンド・マルトノと小オーケストラのための《空間の流れ》(1979)* [日本初演]
オーケストラのための《ゴンドワナ》(1980)[日本初演]
大オーケストラとエレクトロニクスのための《影の大地》(2003-2004)[日本初演]
演奏
野平一郎(指揮)、原田節(オンド・マルトノ)*、トリスタン・ミュライユ(オンド・マルトノ)**、新日本フィルハーモニー交響楽団
チケットなどの詳細(東京オペラシティ公式)
5月の現代音楽ビッグイベント。今年の武満徹作曲賞審査委員、トリスタン・ミュライユの特集。スペクトル楽派の代表格であり、割合人気がある作曲家にも関わらず、曲目を見るとほとんど日本初演なのが驚き。オンド・マルトノが大活躍するみたいで、珍妙な楽器が好きな人は是非足を運ぶべき。ミュライユって一流のマルトノ奏者なんだって。ハラダタカシとミュライユの競演なんか日本じゃもう見れないんじゃないか? 私もこの日までにミュライユの予習をしようかと思います。
2010年5月30日(日) 東京オペラシティ
〈コンポージアム2010〉
2010年度武満徹作曲賞 本選演奏会
曲目
アンドレイ・スレザーク(スロバキア=ハンガリー):Aquarius
ホベルト・トスカーノ(ブラジル):... FIGURES AT THE BASE OF A CRUCIFIXION
難波研(日本):Infinito nero e lontano la luce
山中千佳子(日本):二つのプレザージュ
演奏
大井剛史(指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団
チケットなどの詳細(東京オペラシティ公式)
本選に残った作品に対するミュライユのコメントはこちら。この文章が結構面白くて「もうさ、不必要に難しいこと書くのやめようよ」とか「特殊奏法のオンパレードは、正直飽きました」とか言ってるのね。どういう作品が選ばれているのか、すごく楽しみ。指揮者の大井先生は明日から会う機会があるから、チャンスがあったらこぼれ話とか聞いてみよう。
2010年6月13日(日) すみだトリフォニーホール
ル スコアール管弦楽団 第28回演奏会
曲目
マルティヌー/交響曲第1番
マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」
指揮
大井剛史
チケットなどの詳細(団体公式)
これは自分の出演する演奏会。以前も告知したけど、結局マルティヌーの2番ファゴットを吹くことになった。送られてきた楽譜を見たら結構難しくてね……。リズム音痴であるがゆえに泣きそうになっちゃいましたよ……(俺にこれが吹けるのか……ってね)。でも、20世紀の隠れた名曲、って感じで良いですよ。是非聴きにいらしてくださいませ。
2010年6月20日(日) 水戸芸術館
リゲティの肖像
曲目
プレ演奏(1) パイプオルガン・コンサート
・フレスコバルディ:『音楽の花束』より<クレドの後の半音階的リチェルカーレ>(1635)
・リゲティ:リチェルカーレ 〜フレスコバルディへのオマージュ(1951)
・リゲティ:ヴォルーミナ(1961/62)
演奏:近藤岳(オルガン)
プレ演奏(2)
100台のメトロノームのための<ポエム・サンフォニック>(1962)
演奏会
弦楽四重奏曲 第1番 <夜の変容> (1953-54)
ライヒとライリーのいる自画像(背景にショパンもいる)(1976)
ピアノのための練習曲集
・第1巻 VI. ワルシャワの秋(1985)/第1巻 V. 虹(1985)
・第2巻 XIII. 悪魔の階段(1993)
無伴奏ヴィオラ・ソナタ(1991-94)
弦楽四重奏曲 第2番(1968)
ルクス・エテルナ(永遠の光)(1966)
出演
アルディッティ弦楽四重奏団
小坂圭太(ピアノ)
中川賢一(ピアノ)
松井慶太(合唱指揮)
東京混声合唱団(合唱)
白石美雪(おはなし)
チケットなどの詳細(水戸芸術館公式)
6月の現代音楽ビッグイベント。ほとんどリゲティ・フェスティヴァルである。これはマジでスゴい。100台のメトロノームが一斉に動いている様を実際に見れるとは……! たぶん爆笑して終わると思うんだけど、楽しみすぎる。メインの演奏会もアルディッティが登場だもん、なんかちょっと狂ってる。しかもチケット代が3500円(残り少ないようなのでお早めに!)。
2010年6月29日(火) サントリーホール
読売日本交響楽団 第494回定期演奏会
曲目
ブラームス/交響曲第3番
ブラームス/交響曲第1番
指揮
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス
チケットなどの詳細(読響公式)
6月の読響定期はブラームスの2曲プロ。疲れそうだ。指揮のラファエル・フリューベック・デ・ブルゴスについてはよく知らないけど、なんかとっても偉い指揮者なんだって。こういうのを知ると「自分が知ってる音楽の世界なんか、ホントに一部に過ぎないんだな」って思うね。