最近読んだ漫画
諸星大二郎「妖怪ハンター」シリーズの一番新しい作品を読みました。名前を授けることによって、その名付け親の内に秘めた願望を実現してくれる霊的な「モノ」をめぐる一大ミステリーなのですが、壮大な話のスケール以上に「これ以前の作品よりも漫画が上手くなっている……」ということに驚かされました。これまでになかった絵の動きが感じられる。現代的な文化が作品のなかに反映されるとき、微妙にズレて登場するのは相変わらずなのですが。今回は、ロック・バンドの演奏にあわせてラップで託宣を与える新興宗教の教祖(髪型はモヒカン)が出てきたりして、何を参考にキャラを作ったのかがよくわからないのが素敵です。それにしても稗田先生はちゃんと仕事しているんでしょうか。
よしながふみの『きのう何食べた?』も読み始めました。これは料理漫画というよりも、レシピ漫画と呼ぶべきなのでしょうか。ゲイのライフ・ヒストリー的な物語と、美味しそうな料理の作り方がパラレルに展開される。このふたつにほとんど接点がないのが面白かったです。料理や食材がなにか物語の重要なキーになっているわけではないのが斬新、というか。私も毎日六時で帰って、毎日料理をする生活がしたい。
まんが道 (3) (中公文庫―コミック版)posted with amazlet at 09.10.11
『まんが道』の三巻も読みました。手塚先生、良い人すぎ!