sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

ハーフ・マラソン完走したよ日記

http://d.hatena.ne.jp/Geheimagent/20081228/p1
 先日、上記のエントリを書いてみなさまにたくさんのブックマークをしていただいたけれども、昨日がその本番の日だったのである。初レース、初ハーフ・マラソンと初めてだらけだったけれど、無事完走。タイムも目標の2時間を切って1時間50分ぐらいとなかなかの上出来な感じ。で、今回はハーフ・マラソン童貞を捨てるまでの過程を振り返ってみたい。

  • 練習

 レース参加を決めたのが12月の後半で、準備期間は1ヵ月半ぐらい。時間は多くなかったので、暇があるときはとにかく走りこんだ。だいたい普通は5キロぐらいの距離を週に2回。5キロぐらいだと20分ぐらいで走れたので、仕事で家に帰ったのが22時ぐらいになってもなんとか気合を出せば練習できた。


 それから12キロぐらいの距離を2回ぐらい走ってみた。これは会社のマラソン大好きおじさんに相談したら「ハーフでも初めてなら、練習で10キロ以上走らないとつらいよ」と教えられたので。いつも音楽を聴きながら走るのだが、2度目はブルックナー交響曲第8番を聴きながら走って、走り終わったのが3楽章の途中(だいたい45分ぐらい)だったことに気がついて「なんだ、俺結構走れるんじゃん」と思ったりして、この練習で自信もついた。


 練習のときにはだいたいペース配分と呼吸、あとはフォームなどをランニングについて書かれている本を立ち読みして得た知識などを思い出しながら走ると楽しかった気がする。やはりマラソンみたいな「ただ走るだけ」みたいなスポーツでも頭を使って練習しないとダメな気がする。疲れたときこそ、腕を振る、とか。本によって書いてあることが違ったりするけれども、そのあたりは自分が楽な方法を選択すれば良い。

  • 道具

 シューズのほかに買って良かったと思ったものは、テニス用のヘアバンドと5本指ソックス。私は前髪が長いので、走っていると目に入ってきたり、汗で濡れた髪が額に張り付くのがウザかったのだが、ヘアバンドをしたら何も問題がなくなった。目に汗が入ったりすることもなくなったし、とても便利。難点はヴィジュアルがややイタい感じになることだ……。
 

 5本指ソックスは12キロ走ったときに足に6つもマメが出来てひどかった(走っている間は平気だが、次の日につらい)ため、ネットで調べたら「5本指ソックスが効果的」とあったので。これは本当に良かった。2度目の12キロのときにマメが出来なかった(皮が硬くなったのもあるだろうけど)。でも、本番を走ったらやっぱりマメができる。マメ問題は結局のところ、練習しているかしていないかの差なのかもしれない。

  • 本番

 10時半までに受付で、11時半スタートのレース。「受付してから1時間も寒いなか何するんだよ……」と思ったが、意外に時間がない。着替えをして、荷物を預けたりしていると時間はすぐに経ってしまう。とくに荷物を預けるのに今回は長蛇の列ができていて、結局係員のおじさんに「レースはじまっちゃうから、とりあえずここに置いておいて!見ておくから!!」と言われてしまった。荷物預かりの料金200円が浮いたのは良かったが、スタートは5分以上ぐらい遅れてしまう(正確なタイムはICチップ的なもので計るから良いのだけれど)。運営にも不手際があったみたいで、私を含め、大半のランナーがスタート・ゾーンに入る前に、号砲が鳴るのを聞いていた。

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 『ZAZEN BOYS4』を爆音で聴きながらスタート。レースの序盤はとにかく人が多く、自分のペースで走ることはほぼ無理。ほとんどみんなで一緒になって軽いランニングをしているみたい。それはちょっとイライラするので隙間を見つけたらスッと抜かすのを繰返す。これでちょっと体力を使ったかもしれない。「こんなに追い抜かして、大丈夫か……?」と不安になる。あと、給水所に近寄ろうとする人が急に前に入ってきたりするので、注意しないと危ない。たんたんと走って、5キロぐらい過ぎたあたりで先頭集団(箱根駅伝に出るような人たち)が折り返してきたのとすれ違って苦笑。ものが違いすぎると思った。


 ちょうど10キロを過ぎたあたりで、『ZAZEN BOYS4』が終わる(45分ぐらい)。気がついたら練習と同じぐらいのペース。街頭で応援してくれている人たちの声がイヤホン越しに聞こえてくるのでものすごく励まされた。見ず知らずの人たちなのに。

Death Magnetic
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 中盤からはメタリカ『Death Magnetic』を聴きながら。これがものすごくハマった。ジャギジャギのギターが耳に突き刺さり、ドラムのブラストが入るたびに脳内麻薬的な快楽成分が出てたと思う。完璧にランナーズ・ハイ。異様なテンションで15キロ地点まで快走する。給水は大事。だが、紙コップで配られるスポーツ・ドリンクを走りながら飲もうとすると、絶対にこぼして後から手がベタベタになるするので注意。給水は意外と難しい……と思った。テレビで観ているランナーの人たちの飲み物がちゃんとした容器に入っている理由を理解する。


 ただ、終盤はメタル効果も薄れ、太ももの痛みがどうしようもなくなり大きくペース・ダウン。最後の5キロはほとんど「歩いたら、残りの距離を歩かなくちゃいけなくなる」という恐怖感に煽られて、気合だけで走っていた気がする。地獄。自分が走った距離を示す看板だけが心の支えで「あと4キロ……」、「あと3キロ……」、「あと2キロ……」と心の中で、念仏を唱えるようにして進む。


 残り1キロのところでちょうど『Death Magnetic』も10曲中の9曲目「Suicide & Redemption」になる(9分ぐらいある長いインスト曲)。最後に支えてくれたのがこの曲で、カーク・ハメットが弾く長いソロのところで、ゴールまで300メートルぐらいになる。ここで最後の力を振り絞って猛ダッシュしてゴール(その余力があれば、終盤にもっと頑張れたのかもしれない)。猛ダッシュの間にすでに感極まって泣きそうになる。改めて、メタルという音楽に感謝したいような、霊験あらたかな気持ちになった。

  • 感想と今後の課題

 こんな感じで私の初ハーフ・マラソンは終了したが、終わったあとの感想は「フル・マラソンは絶対無理」ということに尽きてしまう。よく「ハーフを走ったら、フルに行きたくなる」とか聞くのだが、そういう人は元々すごく練習していたか、気がどうかしているとしか思えない。残り5キロで地獄だったのだからフルなら地獄が5倍強になるわけで、考えただけで救急車を呼んでしまいそうだ。ただ、一度レースに出るとハマるという気持ちはものすごく分かって、ハーフならまた走りたい、と強く思った。


 なので、今後の課題。


 まず、目標タイムを1時間半においてみる。となると解決しなきゃならないのは「後半のペース・ダウン」。10キロまで45分でいけたのだから、前半のペースを最後まで維持できれば次の目標をクリアできるわけである。解決するには、おそらく練習するしかないのであろう。走りこみを続けること、これぐらいしか思いつかない。


 あと、トレーニングのときに飲むプロテインを「体を大きくしたい人向けタイプ」(これが一番安くて量が多いのだ)のものから「持久力をつけたい人向けタイプ」に切り替えていも良いかもしれない。レースに出ていた人のなかで、カッコ良い江頭2:50みたいなタイツみたいなの(上下そろえると、GANTZ)を着ている人も多かったので、ああいう恥ずかしい感じのウェアを用意してみるのも良いかもしれない。

 こういう雑誌を立ち読みして研究だ!