sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

ルイス・ブニュエル『皆殺しの天使』

ルイス・ブニュエル DVD-BOX 1
紀伊國屋書店 (2006/04/22)
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 東京に戻ってきてまずしたことはルイス・ブニュエルのボックスセットを買ったことです。今年はね、私もシネフィって行こうかと思いまして「やっぱ蓮實ゼミ出身者はさぁ、ものすごく批評性が高い作品をさぁ……」みたいなことを言ってきたいと思うんですよね。ゴダールみたりとかさぁ。嘘だけど。まだ正月休みが少し残っているので、休みの間に3本全部観ます。本日はとりあえず『皆殺しの天使』を鑑賞。一言で言うと「なんだかよくわからんが得体の知れないことがおこってるっぽいぞ……」という期待感だけで映画を一本作ってしまったような快作だと思いました。ホラー映画で「くるぞ……くるぞ……」と思ってしまうショッキングな映像の「前触れ感覚」が一時間半。すげえ面白い。前フリとか一切無く給仕の人が転んじゃって、食卓を囲んでるブルジョア紳士淑女がガハハ!みたいなシーンとか最高。こういうわけわかんない作品を、シュールレアリスム映画と呼んで良いのかわかんないけど「結局最後まで何が起こっているのかわからん密室劇」として最後まで進んじゃう、謎の解けなさが良かったです。