ミゲル・デ・セルバンテス『ドン・キホーテ』(後篇2)
ドン・キホーテ〈後篇2〉 (岩波文庫)posted with amazlet on 07.12.14
一冊読み終えるのに2週間近くかかってしまった。これは少し忙しかったことばかりが理由ではなく、単に「やや飽きてきた」っていうのがある。後篇(1)の後半あたりからほぼ惰性で読んでいたのだが、後篇(2)の中盤ぐらいから自分的に面白く読める感覚を取り戻せたので救われた。サンチョ・パンサの豊かな才能がここにきて爆発した……という感じである。あと、ひたすら脱線が繰り返されてる小説のクセに、小説の中では「脱線はしないほうが良い」っていう規律がちゃんとあるところが面白いなぁ、とか思った。話を簡潔にしろ、とドン・キホーテはサンチョに度々厳しく言いつけるのだけれども、その「簡潔にしろ」という命令がさらなる脱線を生んでいく矛盾だとか。いよいよ、最終巻となったので、週末に一気に読んでしまおう、と思う(そしてしばらく小説を読みません)。