sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

AGURA BOYZ JUSCO「X-Day In Philippines」

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「いつも曲を録音するときは、トラックを初見で聴きながら、いきなり録音ボタンをクリックして録音を始める。
 自然と、最近あった出来事についての歌になったりする。これは前の日に、仕事場で接している中国人とふとした弾みで話したことが出てきた。
 その中国人は20代前半の女の子で、すごくエラがはっている。化粧を全くしていない完全なスッピンで、飲み込みが悪いのと、教える人間が一から仕事を教えるのを敬遠していることもあり、複雑な作業をできないと見られ、日本語もほとんど話せない。私もこの子仕事と日本に向いてないな的な扱いで、あんまりいい意味ではなく、甘く接していました。
 言葉が通じない人同士が同じ部屋、スペースにいると、自然といないものと見なしてしまう傾向にある(自分調べ)。お互いにそうだったらしく、私が小声でクランベリーズの「Dream」を歌っていたら、ショウメイはそれを意識的か無意識かメロディを追いかけてきて、やたらきれいな英語で歌っていたので、もしやと思ってカマをかけるみたいにメロディに合わせて「英語分かるのかーアーそれだったらーアンサーしろー」という内容のことを下手な英語で言ったら、メチャメチャネィティブな発音で「下手だけどできるでー デーデー」と返され、それまですこし彼女のことを舐めてみてたよごめん英語すごくうまいな、クランベリーズの歌の中国語バージョンが入っている映画みたで 私も見た…… という話をして、それまで この子はなぁ……と思っていた以前の自分をすごく醜いもののように思った。
 そこに、手袋を新しいものに取り替えようとやってきたフィリピンの子(きれいな顔をしているけれど、普通のはさみで自分でザクザク髪の毛を切ってしまい変な感じ。ノーメイク)が私たちが英語で話していることに気づき、言葉がスッとしゃべれるとええよな的なことを、中国人の子よりもめっちゃうまい発音で一息で喋って、クリスマスなのに寒いから嫌になる(フィリピンは日本より暖かいので、今は寒くてしょっちゅう手に息を吹きかけているのをよく見かける)と言いながら、「クリスマスなのに帰れない……」と日本語で言って、一瞬で泣きそうになっていた。
 中国人は日本語が分からないので、「ホワイホワイホワイ」な感じ。目でどうしてなのか説明してくれと訴えられるが、なんか説明する気にならない。「ノーマニー、プアアンドビジーだからクリスマスホリデーノー」的な事を本人が説明して、三人でたそがれた十分ぐらいの時間があった。(あざけり先生)」

中国人がいきなり英語で話しかけてくる
彼女はゴミ掃除係
クリスマスに家に帰れない
彼女はゴミ掃除係
頭があんまりよくないから
子どもに話すみたいな感じで話しかけられてる
その人と話をしていたら前髪をパツンと自分で切った
フィリピン人が通りがかり
彼女は不具合のでた部品に黙々とラベルを貼る仕事(をしてる)
彼女も国に帰れない
クリスマスに帰れない
家族の元へ帰れない
彼女は家に帰りたい
クリスマスに帰りたい
だけども今年帰れない
どこにもどこにも行けない
クリスマスに帰りたい
クリスマスに帰れない
ここはとても寒すぎる
ここはとても寒すぎる
あんまりうまくしゃべれない
お互いの国の話を違う国の言葉でしてる
ウイーー
どこにも帰れない
帰れない
ハー ハァー
ハァー ドンドコ

 新曲。英語が喋れるだけで評価が一変するって面白いですね。