今読んでいる本、2冊
アドルノ (岩波現代文庫 学術 178)posted with amazlet on 07.10.02
帰りの電車の中で読み始める。「アドルノが難しいのは、難しく書いているからだ」と決まりごとみたいな文句が序文に並んでいるを読んで「アドルノが難しいんじゃなくて、世界が難しいんじゃねーの?」とか思った。世の中はとっても複雑で、まずそれが先行している。普通の人なら、それを理解できるように簡単な言葉へと翻訳しようとする。または、ちゃんと「翻訳できるところと翻訳できないところがありますよ」と言ってから翻訳可能な部分について翻訳しようとする。でもアドルノはそうはしない。翻訳不可能な部分を含めて、記述しようとする。だから、必然的に彼の文章は難しくなる。アドルノは世界に忠実なだけだったんじゃないのか?――「彼の文章が難解なのは彼が芸術家であったからであり……」なんていうのは「ドヴォルザークのメロディがドロ臭いのは彼の実家が肉屋だったからだ」と同じくらい意味がない。
Minima Moralia: Reflections on a Damaged Life (Radical Thinkers)posted with amazlet on 07.10.02Theodor W. Adorno E. F. N. Jephcott
Verso Books (2006/01)
売り上げランキング: 45927
こちらも並行中(1日に2段落ぐらいしか進まない)。まだ「献呈の辞」だが、結構面白い。哲学の術語が英語になるとさっぱりわかんねぇ。