フョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー『罪と罰』
- 作者: ドストエフスキー,工藤精一郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1987/06/09
- メディア: 文庫
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しかし、ドストエフスキーの登場人物はすごく“生き生き”している(だから、やっぱりこの作家は偉いし、とんでもない、と改めて感じてしまった)。そこでは一人の人間が立体的に描かれる。主人公の友人、ラズミーヒンは「温厚な、真面目な人物」として登場するのだが、決して一面的に捉えきれる「堅物」ではなく、酔っ払って大騒ぎした次の日に自分の醜態を大いに羞じもするし、激情的になることもある。しかし、かもし出される“生き生き感”は、その面数の問題ではない。それは「固まった面」ではなく、今にも溶けてドロドロと流れ出てしまうゼリー状の立体(自分でもそんなものが存在するかどうか分からないけど)みたいに描かれてる感じというか……。
「人の性格ってよくわかんねぇ!けど、大概、人間ってこんなものだよな」とも思いました。