sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

私はこんな楽器を演奏しています


 最近、適当に録音した音源などをネットに公開して恥を晒している私ですが、本気で演奏しているのはファゴットという木管楽器です。と言っても異常に知名度が低いこの楽器。「のだめブーム」が来ているはずなのに世間的にはまだまだ名が知れているとは全く言えない状況。「楽器をやっている」というと必ず「へぇー、何やってるの」と訊ねられるのですが、「ファゴット」というと訊ねてきた相手の顔が曇り「ごめん、知らない……」と言われ「い、いや、こちらこそ、なんかごめん」と気まずい感じになってしまいます。そのような状況をそろそろ打破しなくてはいけないような気がするので、ここで一つYoutubeファゴットの映像を集めてみました。上にあげたのは、どっかの大学生が演奏するファゴット4重奏での「スーパーマリオ」。結構上手な演奏。

 こちらは日本のファゴット・アンサンブル・グループ「Bassoonable」による「Walter Melon Man」(ハービー・ハンコック)。こちらも上手いですが、「ヴィジュアル的にベーシスト」が多くて「ファゴット界におけるDな人口の多さ」を物語るかのよう。左から二番目の人なんか、安田大サーカスの人みたい。ちなみに、体が大きいからと言って楽器が上手いわけではないので注意が必要(上手そうに見えるけれど)。

 演奏者、演奏団体ともに不明によるモーツァルトファゴット協奏曲(ファゴットの独奏がはじまる直前から)。フルートやクラリネットオーボエといった木管楽器のために書かれた協奏曲は多くあるけれども、ファゴットのために書かれた作品は圧倒的に数が少なく、モーツァルトのこの曲はその少ない作品数のなかで最もメジャーになるもの。楽器屋に行くと、音大生がこれ見よがしにこの曲の一部分を吹いているのを見かけます。


 あとヴィヴァルディが30曲以上の協奏曲を書いているのだった。上にあげた二つはどちらもヴィヴァルディによって書かれた協奏曲。二番目にあげたハ長調のほうの独奏者の方がパワフルな音色を響かせていて上手いなぁ、と思ってしまうのだけれど曲としては一番目のホ短調のほうがカッコ良い。ファゴットは暗い音色をもつ楽器なので短調の曲がよく似合う、と思います。

 漸く見つかった明らかに「プロ!」というレベルでの演奏。リムスキー=コルサコフの《熊蜂の飛行》をファゴット五重奏に編曲して演奏しています(リハーサル)。一番左の白髪のオッサンが、ザールブリュッケン国立歌劇場管弦楽団の首席奏者、シュテファン・シュヴァイゲルトさん。黒光りする楽器がエロい。一番右にいるのはコントラファゴットという通常のファゴットよりも1オクターヴ低い楽器です。爆音で吹いていてカッコ良い。