sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

カッコ良い特撮主題歌

Plays Standards
Plays Standards
posted with amazlet on 07.02.07
Ground Zero
Rer (2002/04/08)
売り上げランキング: 191830

 id:Dirk_Digglerさんのカッコ良いアニメ主題歌というエントリからインスパイヤを受けて、特撮のカッコ良い主題歌を集めてみました。超メジャーどころでウルトラシリーズウルトラQからウルトラマン80まで)。並べるとちょっと面白いことが分かります。

 ウルトラQ。サスペンス風サーフ・ミュージック(?)+ジャズ。裏で入るブラスやときどき効果音的に使用されるミュージック・ソー、奇怪にゆらめくフラッタータンギングのピッコロなどがとてもカッコ良いですね。大友良英Ground Zeroもカヴァーしてます。

 ウルトラマンウルトラQの動画ではカットされていますが、ウルトラQにもオープニングのデカルコマニー風の模様から「ウルトラQ」という文字変化するところがついてきます。この部分、西洋の前衛音楽にもフリー・ジャズにも似ていないようでとてもカッコ良い。そこからブラスのブラストでシンフォニック・ジャズ風になだれ込むのが完璧。ここまでが昨年亡くなった宮内国郎によるものだそうです。

 ウルトラマンセブン。ここからは音楽の担当が冬木透という人に変わっています。「カーン!」という打楽器*1から始まるところは前作踏襲しつつ、その後はリムスキー=コルサコフの《シェヘラザード》を想起させるシンフォニックな感じになります。まるで交響詩のようだ。ちなみにセブンまでが「第一期ウルトラシリーズ」だそうです。

 帰ってきたウルトラマン(再放送で見ていた記憶があるんだけど、こんなあっさりはじまるんだっけなぁ……)。劇中歌はセブンに引き続き冬木透ですが、主題歌はすぎやまこういちです。東大卒らしく、非常にシンプルなつくりになっている。イントロ終わりでリズムが裏に入れ替わるところなどは模範的ですね。

 ウルトラマンA。ミステリアスなタイトル表示がカムバック。チェレスタの音が不穏な空気を呼び込みながらメジャーの金管で解決……しかしその後は劇的に歌謡曲っぽくなります。ハニー・ナイツのハーモニーは素晴らしいのですが……。

 ウルトラマンタロウ。ウルトラ7兄弟(血縁関係なし)で6番目に出てきたので「ウルトラマンNo.6」ってシャウトされてますが、これ「プリズナーNo.6」と関係があったりするんでしょうか。もうこの辺から主題歌は○○+なんとか少年合唱団という流れがでてきちゃってますが、シンセ使いが斬新。未来って感じで良いですね。

 ウルトラマンレオ。ここまでが「第二期ウルトラシリーズ」と呼ばれているそうですが、「第二期」の主題歌では一番好き。タロウからシンセ使いが進化しており、キース・エマーソンも真っ青。合いの手までシンセ・サウンドです。

 ウルトラマン80。この前にアニメ作品があって、80と二つで「第三期ウルトラシリーズ」だそうです。いきなりモダーンな感じになって面白みがありません。最後の最後でいきなり入るコーラス(アーっていうやつ)がイエスっぽいけど。タイアップとか関係あるんですかね。

 で、少しまとめておくとウルトラシリーズのオープニングはほぼ全ての作品が「ミステリアスなタイトル表示→金管による主題歌のテーマ部分の演奏→主題歌」という一連の流れでできている、ということがわかります。ウルトラマンタロウには金管がありませんが、テーマ部分がわざわざ二度提示されていることから、一度目の演奏がテーマの提示部であり(一瞬ではあるのですが)、二度目からは展開部ですよ、ということを示しているのかもしれません。どこが再現部か全く分かりませんが、擬似的なソナタ形式としてオープニングが構成されているのです――すげぇ適当に言ってるけど(これエンディングに再現部があったらすごいな)。

*1:詳細不明。北島三郎「与作」で使用されているビブラスラップに聴こえなくもない