Marisa Monte/O QUE VOCE QUER SABER DE VERDADE
O QUE VOCE QUER SABER DE VERDADEposted with amazlet at 11.12.04
ブラジルの音楽をいろいろと聴いているとこの国は本当に素晴らしい歌手が多い国だなぁ、と思わされます。『カフェ・ブラジル』というショーロのコンピレーション・アルバムを聴いていると「この歌手はなんていう人だろうな」と気になる楽曲ばかり。マリーザ・モンチの歌声に出会ったのもこのコンピが初めてでした。タイミングよく新譜が出てしまったと聞けば、もう買って聴くしかありません。多彩な音楽性が評価された歌手である、という評判を目にしてはいましたが、本作からもその評判を裏付ける印象を受けます。人種の坩堝感と言いましょうか、言ってしまえば雑多な音楽性が「MPB」というキーワードに統御されているところに、現代のブラジル音楽の素晴らしい醍醐味を感じるのですが、このアルバムはその模範ともなるような内容に思われました。例えば、本作に収録されているジョルジ・ベンのカヴァーをとっても原曲を見事にアップデートした仕事ですし、タンゴを取り上げているところもとても興味深い。ブラジルの音楽のなかにアルゼンチンの音楽が挿入されることで、隣り合わせの国のリズム感の違いが浮き上がってくるようです。