橋爪大三郎『はじめての構造主義』
橋爪大三郎による構造主義、というかレヴィ=ストロース入門の本を読む。構造主義の人について、フーコーやデリダについてはピンポイントでなんとなく知っているつもりでいたのだが、じゃあ構造主義ってなんなんすか?的なマッピングが上手くできていなかったので、この本を読みながら少しその整理ができた気がする。構造主義が生まれてきた歴史的背景みたいなものも知れて面白かった。驚いたのは、これが20年も前に書かれた本である、ということで「20年前から思想界隈の話ってあんまり変化がないのか?」と思ったりもした。トレンドの人がちょいちょい変るだけで、天地がひっくり返るようなことを言う人ってなかなかいないものなのだな、よく知らんけど、とアホの人のように考えてしまう。現代思想にあまり興味がなくなってきている……ということなのかもしれない。なんか自分の生活とリンクするものが希薄に感じてしまう。逆に構造主義によって乗り越えられた、とされているマルクス。これは大変自分の生活とリンクして考えられる。自分をとりまく問題として捉えられる。これはマルクスの影響を受けたフランクフルト学派の人たち(と言っても、アドルノぐらいしか読んでいないけれども)の本を読んでいるときも同じような感覚がある。今だからこそ、ハーバーマス読んでみようかなぁ、とか思うし。