sekibang 1.0

2012年1月3日まで利用していたはてなダイアリーの過去記事です。

ソニーが出してたすごいヘッドホン

 この前ビックカメラで見つけてとても驚いたソニーの製品。製品名も「パーソナルフィールドスピーカー」と銘打っているぐらいに「これまでのヘッドホンとは違いますよ」ということを強調している。数多あるヘッドホンを分類すると「密閉型」(密閉することで音圧が高まったりする。遮音性も高い)と「セミオープン型」(遮音性は下がるけど、音に自然な空気感とか定位が生まれる)という風に大きく分けられるが、少ないながらも「フルオープン型」というのも存在する。要するに、耳のすぐ傍に小さなスピーカーが置いてある、みたいな感じなのだが、この「PFR-V1」もここに位置づけることができると思う。
 高級ヘッドホン市場においては、カナル型が全盛と思われる昨今において、この商品は結構存在感が大きい。肝心な音は試聴しなかったので分からないけれど、悪くはなさそうな感じがする。後は、装着感などに慣れることが重要な気もする。個人的には現在使っているAKGK240でかなり満足しているので購入予定はないけれど。
 価格は定価が約5万円とかなり抑え目(アマゾンだと2万円代で買える。すごい割引率だ……)。もしこの製品で高級スピーカーばりのリスニング環境が実現できるなら、夢のような話である。ただ「男ならいつかはでっかいスピーカー」みたいなのってあると思う。以前にオーディオ・マニアの方と話した際に、その人はこんなことを言っていた――「音楽は耳で聴くものじゃないんだ。体で聴くんだよ。肌が震えるぐらいの音で聴くために高級スピーカーっつーのは存在してるわけ」。おそらく、いくら良い音でも「PFR-V1」で、そういう感覚を味わうことは無理だろう。そういう意味では「なんか夢のない製品だなぁ」と感じるところはある。
 もっとも日本の一般的な住宅環境において「高級スピーカーが持ってる能力をフルに活かす」なんていうのもかなり夢みたいな話だけれど。防音室を用意するか、周りに家がないようなド田舎に一軒家を建てるぐらいしか方法はないだろうし。