「私家版世界十大小説」を眺めて
夜が明けたら資格試験なんですが*1眠れないので「私家版世界十大小説」について書いておく。id:idiotapeさんも書いておられましたが、ホントにこういうの古式ゆかしい感じがしますよね。悪意のないネット上での盛り上がり、というのも珍しいような気さえする今日この頃ですから(バトン・ブーム以来じゃないの?)。まぁ、こういうのも「クネクネ」とか言って気持ち悪がる人もいるのかもしれない。
「私家版」を選んだ他の方々のものを読んでいて「ああ、『トリストラムシャンディ』は面白いよなぁ……面白すぎて何だかよくわかんないから選べないけど」とか「フエンテスの名前は結構出てこないなぁ」とか「意外にピンチョン人気ないな……バースもクーヴァーもバーセルミも出てこないし……やっぱポストモダンはダメなのか!?」とか「中上が出てこないのは、ローカルだからかなぁ」とか思ったんですが、一番強く感じるのは「まだ読んでいない面白い小説ってたくさんあるって素晴らしいなぁ」ということ。
セルバンテスも、ディドロの『運命論者ジャックとその主人』も(スターンとディドロの小説は、ニクラス・ルーマンが『社会の芸術』でとりあげていて知った)読んでないし、中国なんか「暗黒大陸」同然だし、あとアフリカの作家も禍々しいほどに魔術っぽくてすごいらしーんだよなぁ……とか考えてると余計に眠れなくなりました。興奮してしまう。
先日、会社の人と飲んでて「若いって良いよねぇ!まだ飲んだことない酒だってたくさんあるんでしょ!生きてて楽しいよね!!」と言われたんだけれども、読んだことがない本がある、っていうのもそれと同じだなぁ、とか思う。
あと、これまでに読んだ本について再び考えを巡らす機会になったのも良かったです。「サリンジャーってまだ生きてるのかなぁ」とか随分久しぶりに考えました。
*1:寝坊して大変なことになりました